研究課題/領域番号 |
18560727
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 新居浜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
衣笠 巧 新居浜工業高等専門学校, 生物応用化学科, 助教授 (10195323)
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研究分担者 |
勝浦 創 新居浜工業高等専門学校, 生物応用化学科, 助教授 (70300639)
西井 靖博 新居浜工業高等専門学校, 生物応用化学科, 講師 (90321504)
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キーワード | 反応・分離工学 / 抽出 / ナノテクノロジー / 逆ミセル / 蛋白質 |
研究概要 |
1)エマルション滴の破壊 W/Oエマルションを水相中に分散させて、分散滴の安定性を調べた。有機溶媒としてイソオクタン、オクタン、ドデカンを用い、その粘度増加の効果を調べたが、分散滴の破壊率に影響はみられなかった。また、W/O/Wエマルション中のW/Oエマルションの体積比を0.17から0.33の範囲で変えて、分散状態のエマルションの粘性を高めたが、破壊率への効果は見られなかった。AOTを含まず、Span80だけで安定化した乳化液膜の場合、有機溶媒の粘性やW/O/Wエマルションの粘性は分散滴の破壊率に大きな影響を与えたことから、AOTを加えることにより、Span80との界面への競争吸着による分散滴不安定化の効果の方が、粘性増加による安定化の効果より強かったためと考えられる。 2)タンパク質の可溶化と回収 逆ミセルにリゾチームを可溶化させ、さらに逆ミセルから回収した後の活性変化を測定するために、可溶化と回収の方法について検討した。注入法によってリゾチームを逆ミセルに溶解させて相聞移動法で回収した。リゾチームの回収はリゾチームの等電点11以上のpHで効率よく行われた。また、回収されたりゾチームの活性はpH12以下であれば元の活性を十分維持していた。 3)タンパク質の抽出平衡 AOTとSpan80を含む逆ミセル溶液によるりボヌクレアーゼAの抽出能力を試験した。リボヌクレアーゼAの抽出率は、AOT濃度の増大によって高くなったが、Span80を加えることにより減少した。リゾチームでも同様の結果が見られたことから、非イオン性のSpan80が逆ミセルとタンパク質との静電的相互作用を弱めることにより、抽出が抑えられたと考えられる。
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