研究課題
基盤研究(C)
N-イソプロピルアクリルアミドもしくはN-イソプロピルアクリルアミド/アクリル酸共重合体ゲルを用いて、0.5μLレベルの微量ハイドロゲルを作製する手法を確立した。本ゲルを水晶振動子マイクロバランス上に作製・固定する手法を検討した結果、物理的に水晶振動子上に接着する手法で適用性があることを確認した。この際、水晶振動子に蒸着する電極は金電極がよく、白金電極では適用性がないことが分かった。化学的にゲルを電極上に固定する手法を検討した結果、物理的固定と同等の水晶振動子応答が得られ、化学的固定の必要性は低いことが確認できた。ゲルネットワークにタンパク質を化学的に結合して導入する手法を種々検討した結果、サクシンイミド誘導体を用いたアミド結合に起因するタンパク質の化学修飾、ゲルろ過による化学修飾タンパク質の精製、ラジカル重合によるタンパク質のネットワーク導入手法が適用できることを明らかにした。タンパク質にビニル基が導入されていることを確証する手法とし、分光分析およびゲルろ過によってビニル基導入を確認した。マイクロゲルを複合したQCMを用いて種々の温度、pH、吸着分子共存条件でQCMの応答挙動を観察し結果、環境条件に依存してゲルの粘弾性が敏感に変化すること分かった。特に、従来観測が極めて困難な収縮相のゲルの粘弾性挙動を鋭敏に観測可能であるとが分かった。ゲルネットワークに吸着する疎水性有機分子共存下の水晶振動子応答挙動を観測した。ゲルネットワークと強く相互作用する有機分子が共存すると、ゲルの粘弾性が極めて鋭敏に変化することが明らかとなった。この粘弾性の変化は0.00001Mオーダーの吸着質濃度でも有機可能であり、微量の物質がゲルネットワークに吸着することをトリガーとして、ゲルの粘弾性変化を水晶振動子でセンシングするデバイスを構築可能であることが確認できた。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
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