研究課題
基盤研究(C)
添加効果の検討:本年度はまず、中性のSiO_2担体に担持した種々の8-10族金属触媒によるメタノールの液相改質反応を行った。これら触媒表面金属原子当りの速度定数であるTOFの活性序列は、Pt>Rh>Os>Ru>Ni>Ir=Pdであった。さらにこれら触媒に対するReの添加効果を検討した。全ての触媒において顕著に活性は向上し、活性序列はPt>Rh>Ir>Ru>Os>Ni>Pdとなり、CO_2選択率は90%以上と高選択性を示した。特にIr-Re/SiO_2触媒は無添加触媒の結果と比較すると一桁以上TOFが向上し、また、副生成物であるCO生成はなくCO_2選択率は99%を越える選択性を示した。Re添加による活性向上の要因は、水和の過程を選択的に進行させており一部脱水素されたメタノールの逐次的な脱水素によるCO生成過程が抑制され、CO_2への高い選択率を示すものと考えられる。担体効果:TiO_2およびAl_2O_3に担持したPtに対するMoやFeの添加効果を検討した。全ての添加触媒で活性が大きく向上し、特に逐次含浸のMo添加が最も顕著な効果を示した。大きな活性向上を示したPt-Mo、Pt-Feでは、Pt/TiO_2よりも高分散な状態となっていることから担体上に形成される添加物のモノレイヤー層がPt金属の微粒子化を促し、高活性発現に寄与していることが示唆された。続いて担体をAl_2O_3、添加物としてFeに着目し、添加物のより詳しい存在状態を検討するため、Pt/Al_2O_3触媒に対するFe添加効果を検討した。逐次含浸によるPt-Fe(1:1)触媒で活性は大きく向上したが、Feを過剰に添加した(1:10)触媒では活性は減少した。XANES測定の結果からPt-Fe(1:10)触媒は金属FeとFe酸化物モノレイヤーの混合物であることが分かった。
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