研究概要 |
ポリ乳酸やポリカプロラクトンなどの生分解性ポリエステルは,環境中及び生体内で分解されることから,近年ますます,注目されるようになってきている。研究代表者は平成14年度から,米国テキサス大学工学部化学工学科D.R.ロイド教授とともに多孔質化による生分解性ポリマーの高機能化と多孔質化した生分解性ポリマーのバイオプロセスにおける高度な利用法の開発研究に取り組んでいる。 本研究は,上記の研究を発展させ,生分解性ポリマーブレンド多孔質膜の内部構造を制御して高機能化し,バイオプロセスに利用することを目的として進めている。第2年度である本年度は,昨年度の研究を発展させ,ポリ乳酸とポリカプロラクトンのポリマーブレンドの含水1,4-ジオキサン溶液に対して,混合比,濃度,含水率,温度を変化させたときの相分離挙動を相図にまとめた。熱誘起相分離法により作製した生分解性ポリマーブレンド多孔質体を用いたヒト肝細胞HepG2の培養方法に検討を加えた。これらの研究成果を第4回アジア-オセアニア(Aseanian)膜学会にて口頭発表した。 本研究課題及び平成15-17年度の科学研究費補助金研究課題「熱誘起相分離法を用いたポリ乳酸多孔質膜の開発とそのバイオプロセスへの応用」の研究成果を含む,食品・バイオプロセスにおける膜分離に関する研究に対して,研究代表者は2007年8月に日本食品工学会奨励賞(『食品微生物の膜分離に関する研究』)を授与された。
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