研究課題
基盤研究(C)
近年、無人航空機(UAV)の研究開発が世界中のさまざまな機関で行われている。UAVは科学観測、災害探知、交通監視などの民生利用目的から軍事利用に至るまでさまざまな利用が想定されている。本研究は、小型無人ヘリコプタの飛行制御システムを研究開発する一つの基礎的研究として、ヘリコプタの縦運動に対する自律飛行制御系設計を検討したものである。ヘリコプターは元来不安定であり、本研究で設定した飛行ミッションにおいてはトリム値が大きく変化する非線形性の強い特性を示す。そこで、複数の動作点を線形補間近似するポリトープモデルを構成して、それに基づいて安定化制御器をゲインスケジューリング化して制御系を設計した。この制御システムをMatlab/Simulink上で構成してその有効性を評価した結果、以下の結論を得た。(1)線形補間型ポリトープモデルは動作点を適切に設定する(動作点の個数及びその値)ことにより、ヘリコプターの縦運動を適切に近似したモデルとなりうる。(2)安定化制御器をゲインスケジューリング化することにより、固定ゲイン制御も優れた制御性能を示すことができる。(3)本研究で用いた2重ループ制御系は飛行速度に基づいた飛行ミッションの追値制御に有効である。今後は、本飛行制御システムの実機への実装を踏まえた修正及び簡単化、ディジタル化などを検討していく予定である。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
日本航空宇宙学会論文集 55,636
ページ: 34-42
Journal of Aerospace Engineering 220,4
ページ: 337-346