研究課題
基盤研究(C)
本研究は、これまでなされていない衝撃波圧力作用を用いた海水穀菌処理技術の確立を目指し、衝撃圧力波形状と菌体致死効果の関係に重点を置き、物理学的・生物化学的アプローチによって衝撃圧力波のどのような作用が海洋細菌の増殖力に影響し不活性化されるのかについて調べ、海洋細菌に対する衝撃波圧力殺菌効果を明らかにすることを目的として実施された。衝撃実験では、ガス銃装置を用い、アルミニウム製の液体封入容器に衝撃を与え、容器内液体中に衝撃波を発生させた。容器液体中に発生伝播する衝撃波挙動を把握するために、シャドウグラフ法による可視化実験、フィルムゲージを用いた圧力計測実験、および有限要素法による数値シミュレーションを行い、平面衝撃波や斜め衝撃波の発生および伝播位置や角度などの定性的一致が得られた他、衝撃波による圧力変動の定性的・定量的一致も得られ、シミュレーションの妥当性を示した。一方、容器内衝撃波形の制御のために、様々な種類の衝突体を衝突させる方法や、ピストン型やノズル型容器の使用、容器内部にアルミニウム隔膜を設置するなどの方法を試み、正の衝撃圧力が優位な波形や負の圧力が優位な波形、高圧持続時間が長い波形など、特徴ある衝撃圧力波形を生成することができた。以上の特徴的な圧力波形は、海洋ビブリオ属細菌に対する不活性効果実験に用いられ、衝撃圧力の直接的または間接的不活性化効果について検討を行った。その結果、約400MPa以上の強い衝繋圧力に対しては、力学的不活性化効果が優位となり、それ以下の衝撃圧力の場合、ラジカルの発生によると推定される化学的不活性化効果が優位となる結論を得た。ラジカルは、第一波背後で発生する急峻な負の圧力変動により二次的に誘起されるものと考えられた。
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