研究課題/領域番号 |
18560773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
砂原 俊之 東海大学, 海洋学部, 助教授 (40276788)
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研究分担者 |
関田 欣治 東海大学, 海洋学部, 教授 (90287045)
矢後 清和 (独)海上技術安全研究所, 海洋開発研究領域, 助教授 (50399515)
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キーワード | 浮体式風力発電 / 動揺特性 / 減揺フィン / 係留最適化 |
研究概要 |
格子型基盤浮体を用いた浮体式洋上風力発電装置を実海域に安全に設置するためには、基盤浮体の横波中のroll運動を押さえることが重要である。そこで、本研究では減揺フィンを取り付けた格子型基盤浮体の波浪中動揺特性を明らかにすると共に、最適なフィン形状を得ることを目的としている。具体的には減揺フィンを様々な形で取り付けた場合の規則波中応答実験を行い、模型に働くディフラクション流体力を計測した。本実験のパラメータとして、入射波の周期Tは0.6〜2.2sec、波高Hは0.04〜0.12m、波の入射角βは90度で固定とした。減揺フィンは浮体模型の長手方向のガーダの底に剛体水平板を取り付け、フィンが無い場合、右舷(波上側)に1枚だけの場合、左右両舷に2枚取り付けた場合の3通りの計測を行った。 実験より、6方向の波強制力の振幅と定常波漂流力の周波数応答関数を求めて、フィンの有無により浮体模型に働く力がどのように変化するのか調べた。その結果、スウェイ方向に働く波強制力の振幅は、フィンを付けることにより約2倍程度増加することが分かった。また、ロール方向に働くモーメントは、フィンを付ける事によるはっきりとした抵抗増加は見られなかった。また、フィンの取り付け方の違いについては、波上側と両側とでは働く力に大きな差はなく、波下側のフィンの影響はかなり小さいことが分かった。なお、定常波漂流力についても波強制力とほぼ同じような結果が得られた。 これまでの研究では、ロール運動を抑えるためのフィンを付けたことにより、係留力が約5倍になった。一方、今回のディフラクション実験の結果より、スウェイ方向ではその影響が認められたが、ロール方向ではあまり見られなかった。このことより、今後ラディエーション影響についても詳しく調べる必要があることが分かった。
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