1.家電リース社会実験における、ユーザーの利用実態調査 今年度は、ユーザーのグリーン・サービサイジング(GSS)の受容性に関して、2002年より家電をリースで利用している80名のモニターに対して、リース期間終了直前の6月にアンケートを実施した。尚、対象の家電は、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、食器洗い乾燥機、生ゴミ処理機である。 質問内容は、(1)リース期間の間に、それらの機器の不調で修理に出したかどうか、修理に出した場合はその修理内容、(2)リース期間終了後に機器を返却するか、引き続き利用するか(その場合はリースでなく所有)どうか、(3)機器をリースした場合と、機器購入とで何か違いがあったか違いがあった場合には具体的な違いは何か(4)リースで家電を利用して良かった点、悪かった点、(5)モノを全て所有するのでなく、モノによってはその機能を利用する、あるいは共同利用(タイム・シェアリング)をするといった方が、貴重な資源を無駄なく有効利用ができ、しかも私達の暮らしも豊かになるという考え方についての意見とした。まず、修理に関しては、洗濯機、液晶テレビで修理件数が多かった。次に、機器の返却に関しては、1割が返却と答え、それ以外に、検討中も1割であった、つまり、引き続き使うというモニターが8割であった。また、リース機器であるが故、「自分のものでないので大切に扱った」、「所有にこだわっているつもりはないが、いざリースとなると、他人所有のものを利用するということに違和感を感じた」、「いつでも修理してくれるという安心感があった」、「高価な家電を月々わずかな料金で利用できた」などの意見が出された。また、「5年というリース期間は長い」、「製品価格が下がっていく中で、リースだと損だと感じた」、「もっと、製品の自由度を持たせてくれると良い」など、個人向けのリースに関する課題も浮き彫りになった。 2.英国、シューマッハ・カレッジにおける持続可能な都市に関する学びと情報発信 持続可能な都市をデザインする場合においても、GSSは重要な要素の一つである。例えば、上海沖に構想されている、DANGTONという持続可能な都市の都市交通政策においては、個人所有の車を減らし、カーシェアリングなどのシステムが都市の設計段階から組み込まれていた。 ただし、GSSという概念が、世界に広がっているというわけではなかったので、世界中からの参加メンバー(イギリス、スイス、スペイン、メキシコ、ブラジル、オーストラリア、ニュージーランド)に対して、日本でのGSSに関する取り組みを紹介した、特に、飯田市における地域資源を循環するためのGSSについての情報発信を行った。
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