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2007 年度 実績報告書

球状化処理した貝殻粒子を利用した高機能材料開発

研究課題

研究課題/領域番号 18560786
研究機関函館工業高等専門学校

研究代表者

小林 淳哉  函館工業高等専門学校, 教授 (30205463)

キーワードホタテ貝殻 / リサイクル / 球状粒子 / バテライト型炭酸カルシウム
研究概要

ホタテ貝殻結晶を球状のバテライト型炭酸カルシウムとして再結晶させることは、ホタテ貝殻では容易であるが、石灰石では困難であった。このため球状化粒子の効果的な用途を見出せれば、ホタテ貝殻のリサイクルが促進できる。そこで顔料としての用途を想定して、再結晶化の諸条件の物性への影響を検討した。再結晶化時のpHは約9が最適であり、平均粒径は19.7μmであった。それ以上のpHではカルサイト型の角ばった結晶が混在した。球形粒子のハンター白色度は82.1で、一般的な再生PPC用紙の白色度に匹敵した。顔料のJIS試験の結果、pH、耐水性、耐溶剤にじみ性は、比較に用いた胡粉と差はなかった。しかし溶剤中の分散性はわずかに劣り、改良が必要である。
球状粒子をコンクリート用の混和剤として用いると、フライアッシュ同様のベアリング効果による減水効果が期待できる。高性能AE減水剤を用い、再結晶化粒子とセメントを再結晶化粒子で置換したところ、重量置換率10%までは、著しい流動性の向上(減水効果)が観察され、その後流動性は低下し、30%以上の置換率ではほとんど流動性を失った。しかし、さらに置換率を増加させると、再び流動性の向上が観察された。30%を超える領域での流動性の増加は、フライアッシュ同様のベアリング効果によると考えられるが、低置換率での挙動は、高性能減水剤と再結晶粒子表面の化学種の化学反応を示唆するものである。貝殻は有機-無機複合体である。この研究ではこの構造を模倣した新しい機能性構造材料を作成することも目的とした。ポリアクリル酸の混在下で、貝殻結晶をキトサンをコーティングしたガラス基板上に再結晶させた場合、平均粒径が約5μmの球形粒子が密に析出した。しかしながら積層化しての十分な高強度化は達成できていない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 球状ホタテ貝殻粉末を混入したコンクリートの実用化2008

    • 著者名/発表者名
      澤村秀治, 小林淳哉, 橋本紳一郎
    • 雑誌名

      函館工業高等専門学校紀要 42

      ページ: 79-83

  • [雑誌論文] ホタテ貝殻からの球状炭酸カルシウム粒子の調製2007

    • 著者名/発表者名
      小林 淳哉
    • 雑誌名

      化学工学 71

      ページ: 351-354

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] ホタテ貝殻球状化粒子がモルタルのフレッシュ性状に及ぼす影響2007

    • 著者名/発表者名
      澤村秀治, 橋本紳一郎, 小林淳哉
    • 雑誌名

      土木学会第62回年次学術講演会講演要旨集 5-400

      ページ: 799-800

  • [学会発表] ホタテ貝殻からの有機-無機複合体作成2008

    • 著者名/発表者名
      山本 涼介, 小林 淳哉
    • 学会等名
      第10回化学工学学生発表会
    • 発表場所
      桐生
    • 年月日
      20080300
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] ホタテ貝殻球状化粒子がモルタルのフレッシュ性状に及ぼす影響2007

    • 著者名/発表者名
      澤村 秀治, 橋本 紳一郎, 小林 淳哉
    • 学会等名
      土木学会第62回年次学術講演会講演要旨集
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      20070900
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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