研究課題/領域番号 |
18560791
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西原 功修 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (40107131)
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研究分担者 |
村上 匡旦 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 准教授 (80192772)
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キーワード | リヒトマイヤー・メシュコフ不安定性 / 分子動力学シミュレーション / 渦 / 表面張力 / 液相-気相混合相 / レーザー核融合 / 流体不安定性の非線形発展 / 衝撃波 |
研究概要 |
本研究の目的は、レーザー核融合における燃料の高密度圧縮に関連して、圧縮過程で生じる様々な流体不安定性についてその非線形発展過程を渦のダイナミックスの観点から明らかにすることである。本年度は、分子動力学シミュレーションコードの開発とレーザーアブレーションの解明、リヒトマイヤー・メシュコフ不安定性(RMI)の非線形発展における表面張力の効果、磁場中のRMIの成長について研究を行った。具体的な成果は、以下の通りである。 1.分子動力学シミュレーションコードを開発し、通常の流体シミュレーションでは困難な、超短パルスレーザー照射に伴うレーザーアブレーションのダイナミックス、特にレーザーアブレーションによる物質中の強い衝撃波や渦度の成長などに起因するクラスターの生成、固相-液相、および液相と気相との混合相への相転移、さらに負圧力生成に伴いクラックの生成などを明らかにした。 2.分子動力学シミュレーションを用いて、円筒座標系でのリヒトマイヤー・メシュコフ不安定性について、3重層からなる系について反射衝撃波に伴い非常に乱れた状態ができることを見出した。 3.理論モデルについては、表面張力の導入を行った。表面張力の導入は、これまで多くの試みがなされているが成功した例がない。RMIの非線形発展による局所的な渦度の集中と表面張力によりドロプレットが形成されることを明らかにした。 4.通常プラズマは磁場を横切れないため、磁場中では渦度の成長が困難でありRMIは生じないと言われているが、有限の抵抗を導入し磁場の再結合を伴うRMIの成長を示した。
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