研究課題/領域番号 |
18560795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
佐藤 国憲 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (70126861)
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研究分担者 |
田村 直樹 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80390631)
鈴木 千尋 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (30321615)
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キーワード | プラズマ輸送 / 超軟X線分光 / 多層膜反射鏡 / グリッドコリメータ |
研究概要 |
磁場閉じ込め核融合プラズマにおいて、高い炉心プラズマ性能を達成し、これを維持するためには、プラズマ中における不純物(He灰や構造物からの混入不純物など)の輸送特性について完全に理解しておく必要がある。我々のグループでは、磁場閉じ込めプラズマ中における不純物の挙動を高精度で計測する手法として、プラズマ中に局所的に不純物を注入できるトレーサ内蔵固体ペレット(TESPEL)と荷電交換分光法を組み合わせる手法を提案し、その確立を目指している。これまでの研究で、TESPELによって導入された不純物トレーサからの発光を高エネルギー中性粒子ビームによる荷電交換分光法により有意に測定するためには、その測定対象を超軟X線域とする必要があることが分かっている。そこで本研究の目的は、磁場閉じ込めプラズマにおける不純物の輸送を、これまでにない高い精度で評価するために必要な小型多チャンネル超軟X線分光器を開発することである。本研究で開発する小型多チャンネル超軟X線分光器では、小型化・高スループット化を同時に実現するためにグリッドコリメータと多層膜反射鏡を組み合わせた超軟X線光学系を採用した。ここで、目的とする波長に対する多層膜反射鏡の反射率を常に最大としておくために必要な調節機構(実験環境を考慮し、遠隔操作可とする。)も加えた。平成18年度では、1チャンネル分の超軟X線光学系を試作し、実験装置である大型ヘリカル装置に取り付けるために必要な真空排気系の整備を行った。プラズマ中における不純物トレーサイオンの挙動を評価する際には、既存の一次元不純物輸送コード(MISTもしくは、STRAHL)を用いるが、これらコード以外にもプログラムが必要であり、その整備も行った。これを受けて、平成19年度には大型ヘリカル装置LHDへの設置を行い、トレーサ内蔵固体ペレットによってプラズマ中に局所的に注入された不純物トレーサイオンからの発光の観測を試みる予定である。
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