研究課題/領域番号 |
18560801
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿部 弘亨 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40343925)
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研究分担者 |
関村 直人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10183055)
岩井 岳夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (30272529)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 電子顕微鏡法 / イオン加速器 / はじき出しカスケード / 分子動力学計算 / クラウディオン型 / 銅-コバルト合金 / 整合析出 / copper-cobalt alloy |
研究概要 |
イオンや中性子による照射を被ると材料中には多量の格子欠陥が導入され、材料は劣化に至る。最近の研究では、はじき出しカスケード(点欠陥の密集領域)の形成過程において可動性を有する欠陥(クラウディオン型クラスタ)が予測されている。この欠陥は結晶粒界などにて欠陥蓄積を促進し、劣化を引き起こす可能性がある。そこで本研究ではこれらの機構解明研究を実施した。 ・クラウディオン型クラスタの直接観察 十分に焼鈍した高純度の銅と金において400〜600℃にてイオン照射その場電顕観察実験を行い、100nmオーダーの長距離可動な欠陥を観測し、格子間原子型欠陥でありかつクラウディオン型であることを検証し、この欠陥の熱的安定性について調べた。 ・イオン照射したCu-Co合金析出物の断面電顕観察実験 時効析出型合金であるCu-Co中の整合析出粒子周辺の弾性歪場が格子欠陥に影響されて不整合化する現象を利用し、クラウディオン型クラスタの計測法を確立した。そしてイオン照射した試料の断面電顕観察により飛程よりも1μ程度深部においても整合性が低下することを確認した。照射線量、線量率、照射温度依存性などについてさらに詳細に解析を進め、クラウディオン型格子間原子クラスタの拡散によるものであることを明らかにした。 今年度の成果は、投稿論文(2件)および国際学会(1件)にて発表された。
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