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2008 年度 実績報告書

高エネルギーイオンビームを用いた多層膜・多機能性ポリマーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18560802
研究機関神戸大学

研究代表者

谷池 晃  神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (50283916)

キーワードイオンビーム / 放射線グラフト重合 / 加速器分析 / ポリエチレン / ラジカル
研究概要

イオンビーム(H^+)でポリエチレン試料を照射した後,電子スピン共鳴装置を用いてラジカル数を測定し定量化した.このとき,照射後の試料を電子スピン共鳴装置用の測定管に入れ,測定管ごと液体窒素デュアーに挿入することでラジカルの減少を阻止することに成功した.ラジカルは付与エネルギー及び阻止能に比例することがわかった.グラフト重合後に銅を吸着し,その分布を加速器分析で測定した結果からグラフト鎖の伸びを2μmと仮定した場合,ラジカル100個に対して1本のグラフト鎖が伸びていることがわかった.また,測定したラジカル数から密度を求めた.200keVのイオンビーム(飛程2μm)を照射した場合,ラジカル密度は10^<19>cm^<-3>であった.イオンビームの飛程が長くなるにつれてラジカル密度は小さくなることがわかった.
ポリエチレンを貫通しないエネルギーを持ったイオンビームでポリエチレンを照射すると,同じ付与エネルギーの貫通イオンビームに比べてグラフト率が小さくなることがわかった.これは,ブラッグピークが存在するために,イオンビーム飛程付近の核衝突反応やラジカル密度が大きいことによる重合反応の再結合停止反応が多くなるためにグラフト鎖が伸びないためと思われる.
イオンビームでポリエチレンを照射し十分な時間大気中に保存する.この試料に再びイオンビーム照射を行いグラフト重合した際グラフト率が小さくなる現象が観測された.照射による何らかのダメージあるものと思われる.多数回の照射を行う場合には注意する必要があることがわかった.
以上のようなイオンビームを多数回照射することによる,多重グラフト重合による多層膜ポリマー作製に関する基本データが得られた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] イオンビームグラフト重合法におけるグラフト率に対するブラッグピークの影響2009

    • 著者名/発表者名
      谷池晃
    • 学会等名
      日本原子力学会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2009-03-25
  • [学会発表] イオンビーム飛程近傍における阻止能とグラフト率とラジカル密度の関係2008

    • 著者名/発表者名
      谷池 晃
    • 学会等名
      日本原子力学会
    • 発表場所
      鳥知工科大学
    • 年月日
      2008-09-05

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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