研究課題
本研究は、主にITER向けMeV級加速器を用いて、1MeVを超えるビームエネルギーの汎用静電加速器を実現するために必要となる、真空絶縁の物理・工学基盤構築を目指す実験を行い、以下の知見を得た。・1MeVを超えるエネルギーの静電加速器における大口径FRP(ガラス繊維強化エポキシ)加速管の使用を視野に入れ、その沿面放電機構を調べ、陰極接合点(真空、絶縁体と金属の三重点)の電界集中に着目して大型の電界緩和リングを導入し、三重点での電界集中を1kV/mm以下とすることによって沿面放電を抑制しうることを実証した。・広範な真空絶縁距離(〜500mm)の加速器体系において実施した真空絶縁のデータを取りまとめ、1)真空絶縁特性がクランプ理論に合致すること、2)ロゴスキー電極を用いた理想的な体系での結果に比べ、実加速器体系での結果は保持可能電圧が1/2以下に低下すること、3)上記保持可能電圧の低下の原因は支持枠端部や電極と支持枠の継ぎ目などにおける局所電界集中によるものと考えられること、4)従って、高電圧の真空絶縁には、保守的な多段短ギャップによって高電圧を絶縁する方式が有利であり、5)(ITER用に欧州が提案する)SINGAP加速器のような単一長ギャップによって絶縁する方式は実現が困難であることを明らかにした。
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日本原子力研究開発機構研究開発報告書JAEA-Research 2008-121
ページ: 1-26
Fusion Engineering and Design (印刷中)
Nuclear Fusion 49(印刷中)
http://www.naka.jaea.go.jp/nbi/NBI_Home.html