研究概要 |
結晶シリコン太陽電池の高効率化を図るため,単結晶および多結晶シリコン基板におけるSiNx:H膜とa-Si:H薄膜及びそれらの各種2層構造によるパッシベーション効果と熱アニール効果について調べた結果,以下の知見が得られた。 1.SiNx:H膜のパッシベーション効果として,Siリッチの成膜条件で、Nリッチな条件よりも、顕著な実効キャリア・ライフタイムの改善効果が得られた。 2.熱アニールの効果として、実効ライフタイムの変化とともに、Si-H結合密度とN-H結合密度が変化しており、実効ライフタイムと水素結合状態に相関があることを実証した。 3.SiNx:H/SiNx:H2層膜のパッシベーション効果として,単層膜よりもパッシベーション効果と反射防止効果の両方を改善できることを実証した。 4.SiNx:H/a-Si:H2層膜のパッシベーション効果として,SiNx:H単層膜と比べて、顕著なライフタイム改善効果が確認された。更に熱アニールにより極めて高いパッシベーション効果が得られることが分かった。 5.a-Si:H薄膜単層のパッシベーション効果として,400℃〜500℃での熱アニールによって,キャリアの実効ライフタイムが大幅に改善されることが確かめられた。 6.実際にセルの作製を行い,セル表面におけるSiNx:H膜の効果,セル裏面のBSF層へのa-Si:H薄膜の効果について検証した。
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