• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

ゲノムの維持と発現におけるコンデンシン複合体の役割

研究課題

研究課題/領域番号 18570009
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

小野 教夫  独立行政法人理化学研究所, 平野染色体ダイナミクス研究室, 研究員 (20291172)

キーワードコンデンシンI / コンデンシンII / クロマチン / DNA複製 / 染色体バンド / ヒストン修飾
研究概要

コンデンシンは分裂期染色体の構築に必須なタンパク質複合体である。高等真核生物では2種類の複合体、コンデンシンIとコンデンシンIIが、それぞれ異なった機能をもちつつ協調して働くことにより、遺伝情報の均等分配が可能な染色体が形成される。本研究では、分裂期に加えて間期核におけるコンデンシンの機能を探ることにより、ゲノムの維持と発現、そして分配のメカニズムを統合的に捉えることを目指した。
コンデンシIIは細胞周期を通じて核に局在するが、核内における詳しい動態は不明だった。本研究では、細胞学的手法によりヒト細胞のコンデンシンIIの挙動を調べた結果、DNA複製の進行とともにクロマチンとの結合状態が変化していることを明らかにした。この結果は、これまで独立の事象と考えられてきた間期でのDNA複製と分裂期の染色体形成が、コンデンシンIIを介して連係している可能性が示された点で重要である。
さらに、クロマチンの高次構造を制御する重要な因子の一つであり、遺伝子発現とも密接に関連しているヒストン修飾パターンと、コンデンシンIとIIの染色体分布との間の関連を調べた。その結果、ユークロマチンに見られる修飾部位にはコンデンシンIが、それ以外の部位にはコンデンシンIIが優勢になる傾向が見られた。また、ヒストンアセチル化パターンを撹乱すると、染色体の形態とコンデンシンの分布パターンに変化がみられた。これらの結果は、クロマチン高次構造とコンデンシンの染色体分布は密接に関連していることを示す。またこの解析の過程で、コンデンシンIとIIの染色体分布パターンは各染色体に特異的で、かつDNA複製タイミングやヒストン修飾とも関連する染色体バンドと一致する傾向を示した。今回の知見の生物学的意義は、ゲノム分配の中心的因子のコンデンシン複合体が、ゲノムの複製や発現とも密接に関連している可能性を示したことである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Key roles of condensins in mitotic chromosome assembly and segregation.2007

    • 著者名/発表者名
      Takao Ono
    • 雑誌名

      Chrom. Sci. 9

      ページ: 33-45

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Monopolar preparation of human lymphocytes for evaluation of the metaphase chromosome alignment.2007

    • 著者名/発表者名
      Reiko Kimura
    • 雑誌名

      Chrom. Sci. 9

      ページ: 75-83

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 見えない染色体異常-染色体構築と分配機構の異常による先天性疾患-2007

    • 著者名/発表者名
      小野教夫
    • 雑誌名

      実験医学 25

      ページ: 776-781

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 2つのコンデンシンの時空間制御の理解へ向けて.2008

    • 著者名/発表者名
      小野教夫
    • 学会等名
      第25回染色体ワークショップ
    • 発表場所
      静岡県熱海市(ウェルシティ湯河原)
    • 年月日
      2008-02-01
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] Disorders in Chromosome assembly:New Chromosomal Aberrations Associated with Human Congenital Diseases.2007

    • 著者名/発表者名
      Takao Ono
    • 学会等名
      The 8th international symposium on Chromosomal Aberrations.
    • 発表場所
      兵庫県淡路市(淡路夢舞台国際会議場)
    • 年月日
      2007-10-05
  • [備考]

    • URL

      http://www.riken.jp/index_j.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi