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2007 年度 実績報告書

マッコウクジラにおける採餌行動の文化的差異

研究課題

研究課題/領域番号 18570010
研究機関帝京科学大学

研究代表者

天野 雅男  帝京科学大学, 生命環境学部, 准教授 (50270905)

研究分担者 吉岡 基  三重大学, 生物資源学部, 教授 (30262992)
キーワードマッコウクジラ / 採餌行動 / 音声クラン / ハクジラ類 / データロガー
研究概要

マッコウクジラに対する吸盤装着型データロガーの装着を、8月に北海道根室海峡、9月に小笠原父島周辺海域で行った。今年度から新たに調査地とした根室海峡は、これまで調査を行って来た海域がいずれも繁殖育児群が中心に生息する海域であるのに対し、オスが生息する海域であり、雌雄での潜水行動の差異や、オス間の関係について新たな知見が得られるものと期待される。小笠原では天候不順により、装着作業を行うことができなかった。一方根室海峡では、1頭に装着を成功させ、18.8時間の潜水データを得た。装着時間の間、この個体は17回の深い潜水を行っており、夕方から夜間にかけて7時間潜水を行わず水面近くに滞在していた。このように非常に長い水面滞在時間は、これまでのデータでは見られておらず、オスあるいはこの海域に特殊なことかも知れない。また昨年度に装着した地磁気センサー付のロガーによるデータを解析し、三次元的な遊泳経路を明らかにした。その結果、マッコウクジラは、潜降、底部、浮上のいずれもにおいて、遊泳方向や体の向きを頻繁に変えて広く餌生物を探査していると思われる部分と、比較的まっすぐに泳ぐ部分があることが明らかとなった。また餌生物の追尾と捕獲を示すバースト時には、最初一定の速度で泳いだ後、急加速し、急減速とともに体を大きく曲げた後、徐々に速度が遅くなるという一連の行動が起こることが明らかとなった。これらはそれぞれ、餌生物への接近、追尾、捕獲、処理を示すものと考えられる。
音声録音をデータロガー調査を行った2海域に加え、和歌山県熊野灘沖でも行い、熊野灘60時間、根室海峡37時間、小笠原54時間、計151時間のデータを得た。現在、コミュニケーション用の音声であるコーダの抽出作業を続けている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Stereotypical resting behavior of the sperm whale.2008

    • 著者名/発表者名
      Miller, P.J.O.
    • 雑誌名

      Current Biology 18

      ページ: R21-R23.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diel diving behavior of sperm whales off Japan.2007

    • 著者名/発表者名
      Aoki, K.
    • 雑誌名

      Marine Ecology Progress Series 349

      ページ: 277-287

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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