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2007 年度 実績報告書

大型果実をめぐるアリと植物の共生関係-特に種子散布とクリーニング行動について-

研究課題

研究課題/領域番号 18570014
研究機関金沢大学

研究代表者

大河原 恭祐  金沢大学, 自然科学研究科, 助教 (70283091)

研究分担者 秋野 順治  京都工芸繊維大学, 生物科字, 准教授 (40414875)
木下 栄一郎  金沢大学, 環日本海域環境研究セセター, 准教授 (70234317)
キーワードアリ / 果実 / 種子 / カビ / 共生
研究概要

2007年9月から11月にかけて,鳥散布植物種の果実に対するアリ類の行動の観察を行った。本年度の新たな調査地点として果実食性鳥種の排泄物解析調査を行っている福井県織田山を選出した。この調査地の落葉広葉樹林において,鳥によって主に捕食,運搬されていると考えられる植物種31種を実験種として用い、これら各種の果実50-100個を林床に配置し,アリによる効果を観察いた。その結果、アリによる運搬や捕食が観察されたのは,アカメガシワ,カラスザンショウ,アケビ,コマユミなど7種であり,これらは昨年の調査結果と同じ種であった。この事はこれら植物種の果実は地表に落ちた後,アリによって普通に散布されることが一般的な現象であることを示唆している。また他種ではげっ歯類や昆虫類の捕食が観察されたが,前回よりもその頻度は低かった。また室内観察と実験によって,アリによって処理された種子の発芽頻度や表面物質の分析を継続して行っている。さらに今年度は果実繊維部のみを除去するクリ-ニング行動を観察するため,マレーシア,サラワク州のランビル国立公園へ渡航し,その熱帯林にてアリと果実の観察を行った。観察は12月の雨期に行い,結実が確認された5、6種の鳥散布植物について,上記と同様の林床での果実配置実験と,樹土でその果実を食べる鳥の観察を行った。ゴシキドリなどの鳥種による捕食の過程で果実やその種子は高頻度で林床に落とされたが,それら果実はげっ歯類によって高頻度で捕食されていた。しかし実験的にげっ歯類の捕食効果を除去してもアリによるクリーニングの頻度は低かった。こうした果実をめぐる鳥,アリ,さらにげっ歯類には複雑な相互関係があることが予測され,ざらに来年度に詳細な観察を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Dominance hierarchies and aggressive behavior among queens of the inquiline antVollenhovia nipponic2008

    • 著者名/発表者名
      Satoh, A., and K. Ohkawara
    • 雑誌名

      Insectes Sociaux (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Clonal reproduction by males in the ant Vollenhovia emeryi(Wheeler)2008

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, K., E. Haegawa and K. Ohkawara
    • 雑誌名

      Entomological Science (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Biasing mechanisms of sex investment ratio in themonogynous and monandrous ant Aphaenogaster smythiesi japonica Forel2007

    • 著者名/発表者名
      Iwanishi, S., S. Shin and K. Ohkawara
    • 雑誌名

      Ethology, Ecology and Evolution 19(4)

      ページ: 275-289

    • 査読あり
  • [学会発表] 排泄分析による渡り鳥の種子散布行動解析2007

    • 著者名/発表者名
      松平有加・大河 原恭祐
    • 学会等名
      日本鳥学会2007年度大会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2007-09-23

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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