今年度は昨年度に引き続き、植物の防御戦略の総合的実態を知るためにデータ収集・整理を進め、統合モデルの枠組みを作成した。また、以下のような動植物相互作用とダイナミクスに関するトピックについて数理モデルによる検討も実施できた。 植食昆虫は幼虫の食べ物である植物の上に卵を卵塊で産むことが多い。このようなときには、共生微生物の操作によって性比がメスに偏ることが予想される。極端な場合は雄をすべて殺す揚合があるが、このような共生微生物が進化できる条件を明らかにした。 繁殖の時期に普段の生息場所とは異なる揚所に移動する動物は多い。このとき、餌となる生物と採餌する動物の個体数ダイナミクスが安定となるかどうかを調べた。移動時期が固定している場合、移動時の体重を固定する場合には、システムは必ず不安定になるが、餌の増減に反応して過疎的に移動時期を決める場合には、よりシステムが安定化することが分かった。 多種の魚の幼魚を守るという報告があり、この行動とダイナミクスについて数理モデルにより解析した。 モンゴルでの草本植物と遊牧される家畜との関係は、一般モデルを構築する上で重要な分析対象としている。生物多様性を含む草原の健全性は、家畜の種類や密度に強く影響されるが、それはさらに都会と遊牧地間の人間の移動に大きく依存している。都会の価値が変動するときに、人間の移動と牧地の生態系がどのように変化をするのかを表現する数理モデルを開発した。
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