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2007 年度 実績報告書

亜熱帯におけるヘビ類の寒冷適応の進化:生態的要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18570019
研究機関京都大学

研究代表者

森 哲  京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80271005)

研究分担者 戸田 守  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40378534)
キーワード生態学 / 進化 / 行動学 / 寒冷適応 / 体温 / ヘビ類 / 爬虫類 / 亜熱帯
研究概要

本年度はまず、昨年度からの継続として、奄美大島と屋那覇島における電波発信器を装着したヒメハブの追跡と、ヒメハブおよび餌動物の定期的な夜間センサスを行なった。各々の島を月に一回訪問し、屋那覇島は8月まで、奄美大島は2月までラジオテレメトリー法による個体追跡を行い、ヒメハブの位置、体温、微環境利用などを継続的に調査した。その結果、屋那覇島のヒメハブの活動性は夏に高く、冬にはほとんど活動しないこと、活動時の体温はおおよそ25〜30度であること、食性はトカゲ類に依存していることが明らかになった。これに対し、奄美大島では、10〜15度の体温で冬によく活動し、餌はカエル類がほとんどであることを確認した。一方、1月と2月には、沖縄島と奄美大島のヒメハブ各々12個体を対象にして、温度勾配装置による嗜好体温の選択実験を行なった。その結果、ヒメハブの選好体温は、両島とも25℃および15℃付近にピークをもつ二山の分布を示すこと、選好体温は日中よりも夜間の方が低いこと、および、雄は雌よりもやや低めの体温を維持する傾向があることが明らかになった。さらに、ミトコンドリアDNAのチトクロームbコード領域の1114対の塩基配列にもとづき、沖縄島、屋那覇島、奄美大島を含む6島間の系統関係を推定し、沖縄島と屋那覇島の個体群は系統的にかなり近縁で、両者は奄美大島の個体群からは明確に離れていることを明らかにした。これらの結果から、ヒメハブは、これまで報告されている他のヘビ類に比べ著しく低い選好体温を示すこと、および、野外での季節活動パターンは、餌資源の入手可能性に大きく依存し、系統的類縁を反映するものではないことが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Determinants of feeding performance in free-ranging pit-vipers (Viperidae: Ovophis okinavensis): key roles for head size and body temperature2008

    • 著者名/発表者名
      Vincent, S.E. and A. Mori
    • 雑誌名

      Biological Journal of the Linnean Society 93

      ページ: 53-62

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒメハブの活動性と場所利用の季節変動:餌となる冬季繁殖ガエルのいる島といない島の比較2007

    • 著者名/発表者名
      戸田 守・森 哲
    • 学会等名
      日本爬虫両棲類学会第46回大会
    • 発表場所
      琉球大学西原キャンパス
    • 年月日
      2007-11-18
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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