研究概要 |
1.2種系における確率論的共進化動態 2種系の進化動態に取り組んだ。対象とする系は、1)競争系、及び2)捕食(寄生)系である。ともに確率論的な効果により、必ずしも直感的な予想通りの動態が得られないことを確認した。特に空間構造を考慮する場合、どのような空間を考慮するのかに依存して進化動態が質的に大きく異なることを見いだした。現在、これらの結果を論文として取りまとめ中である。 2.托卵系における卵模様の確率的変異がホストの托卵対抗手段の進化に及ぼす影響について理論的に解析した論文をStokke, et. al. (2007) Evolution 61-9: 2212-2228に発表した。また、理論モデルに関連する実証研究をMunoz, et. al. (2007) Auk 124(2): 619-627に発表した。 3.確率論的効果を含む普遍的な個体ベースモデルの枠組みを整備し、日本生態学会第55回大会(福岡市)にて、個体ベースに関する企画集会を企画・主催し、生態学者に対し個体ベースモデリングのあり方についての議論の場を提供した。本枠組みを用いたプログラムのライブラリを一般公開した。
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