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2008 年度 実績報告書

餌としてのアリ類の役割

研究課題

研究課題/領域番号 18570022
研究機関香川大学

研究代表者

伊藤 文紀  香川大学, 農学部, 教授 (50260683)

キーワード群集 / アリ / 餌
研究概要

カエル類とクモ類を対象に野外調査による餌内容の調査と室内における観察を実施した。沖縄島と本土各地において同所的に生息するカエル類数種の餌内容を調査したところ、沖縄島ではヒメアマガエルがヌマガエルやリュウキュウカジカガエルよりも遥かに大量のアリ類を摂食していること、本土ではニホンアマガエルがヌマガエルよりもアリに対する依存度が高いことが明らかとなった。ヒメアマガエルについて,その餌内容を野外で推定したアリの現存量と比較して検討したところ、野外では個体数が多いヒメアリやクロヒメアリ等小型種の摂食量はわずかで,アシナガキアリやオオシワアリといった大型種を多数摂食していた。アシナガキアリは強力な蟻酸を保持しており、このようなアリは一般に捕食者に嫌われることが多く、少なくともニホンアマガエルは食べようとしない。一方で,野外での最優占種のひとつであるアシジロヒラフシアリは胃腸内に全く含まれていなかった。アシジロヒラフシアリを含むカタアリ亜科は顕著な臭気を持つ外分泌腺物質を生産する種が多く、これが防衛に効果的である可能性が示された。以上のことから本種はアリに対する依存度が高いようだが、明瞭な選好性があるらしく、また今まで調査したニホンアマガエルとその選好性は異なっているらしいという興味深い結果が得られた。クモ類についてはアリ食であるアオオビハエトリの野外観察を継続し、本種が餌として利用するアリ類の概要が明らかになりつつある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] A note on prey composition of the Japanese treefrog, Hyla japonica, in an area invaded by Argentine ants, Linepithema humile, in Hiroshima Prefecture, western Japan (Hymenoptera : Formicidae). 12:35-392008

    • 著者名/発表者名
      Ito, F, Okaue, M, Ichikawa, T.
    • 雑誌名

      Myrmecological News 12

      ページ: 35-39

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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