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2007 年度 実績報告書

ゲノム情報・遺伝子発現プロファイルと逆遺伝学を利用した葉緑体分裂制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18570036
研究機関東京工業大学

研究代表者

島田 裕士  東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (80301175)

キーワードゲノム / 植物 / 発現制御 / 葉緑体
研究概要

葉緑体分裂因子ARC3の変異体であるシロイヌナズナarc3と野生型とを用いたDNAarray解析から、変異体と野生型での遺伝子発現の違いはほとんどなく、唯一At5g42825が野生型では発現していないのに対し変異体では高発現していた。At5g42825はsnRNAでありRNAiとして機能している事が考えられる。
ARC3 Promoter-GUSコンストラクトを導入したシロイヌナズナの解析から、葉緑体分裂因子であるARC3は細胞分裂・発達のさかんな部位である子葉全体で高い発現が観察され、本葉においてはその発現が低い事が示された。また、葯における花粉と鞘における胚においても高い発現が観察された。暗所発現させた子葉においてARC3の発現は植物ホルモンであるサイトカイニンとオーキシンで誘導される事も示された。これらの事より、ARC3の発現には植物の部位特異的な発現制御を受けており、その誘導にはサイトカイニンとオーキシンが関与していることが示唆された。
また、ARC3タンパク質は葉緑体包膜構成成分のうちリン脂質であるフォスファチジルエタノールアミン(PE)に特異的に結合する事を示した。PEは原核・真核生物における細胞分裂時に重要な機能を持つ事が示されおり、PE特異的な抗体を用いた抗体組織染色解析から、葉緑体分裂時にPEはARC3タンパク質と同様なリング構造を分裂面に形成する事が示された。葉緑体の祖先と考えられているシアノバクテリアはPEを持たない事から、ARC3-PEコンプレックスによる葉緑体分裂機構は原始原核光合成細菌の原始真核生物への共生後に生じたと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Arabidopsis Cotyledon-Specific Chloroplast Biogenesis Factor CYOl is a Protein Disuflide Isomerase.2007

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Shimada, et. al.
    • 雑誌名

      The Plant Cell 19

      ページ: 3157-3169

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of SIP that interacts with SPB, a trans-acting repressor, in Rhodobacter sphaeroides.2007

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Shimada, et. al.
    • 雑誌名

      Plant&Cell Physiology 48

      ページ: 1504-1508

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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