研究課題
基盤研究(C)
1.環境ストレスに応答して発現するncRNAの同定単細胞性のラン藻Synechococcus elongatusを材料とし、ORFに加えでORF間の配列に対応する順逆両方向のオリゴヌクレオチドスポットを有するDNAマイクロアレイを用いた解析により、炭素欠乏誘導性ncRNA2つ(syc0947iとsyc0517i)を見出した。さらにsyc0947iが強光ストレスによっても誘導されることを見出した。2.ncRNAの発現誘導機構syc0947iとsyc0517iの転写開始点を決定し、syc0947iのプロモーター領域に強光応答性遺伝子に特有なHLR1配列とCO_2欠乏誘導性遺伝子に特有なLysRモチーフを見出した。LysRモチーフを介してcmpABCDオペロンを活性化する転写因子としてCmpRを同定したが、syc947iはCmpR欠損株でも正常に誘導され、CmpR以外のLysR型転写因子の関与が推定された。一方、syc517iのプロモーター領域に既知のプロモーターやcis制御配列との類似配列が存在しないことから、CO_2欠乏への未知の応答機構の存在が推定された。3.CO_2欠乏に応答して発現するncRNAの機能解析syc0947iとsyc0517iの相補鎖をそれぞれ過剰発現するS.elongatusの変異株を作成したところ、それらの増殖はCO_2制限条件下で野生株、および空ベクターを導入した株よりも遅くなった。このことから、syc0947iとsyc0517iがCO_2制限条件下での増殖を促進する機能を有することが示唆された。
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ページ: 98-109
Plant and Cell Physioogy 48
ページ: s177
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