研究概要 |
ポジショナルクローニング法により共生窒素固定機能を制御する宿主植物遺伝子を同定することを目的に、マメ科のモデル植物であるミヤコグサのMiyakojima MG-20系統を用いて、共生窒素固定機能に変異を生じたFix-突然変異体の作出を行った。種子5,000粒を0.4%EMSで処理し、2,656個体の植物からM2種子を得た。これらの種子合計25,390粒を用いて一次さらに二次スクリーニングを行った結果、32系統のFix-突然変異体が単離された。そこで、表現型解析のためにMiyakojima系統、ラフマッピングのためにGifu系統との交配を行った。現在までに、これら32系統のうち、Miyakojimaとの交配とGifuとの交配によってそれぞれ6系統のFix-突然変異体からF2種子が得られ、それぞれ4系統については単一劣性遺伝子支配による遺伝様式が確認された。さらに、Gifuとの交配によって得られたF2劣性ホモ個体を用いたラフマッピングにより、F13遺伝子は第1染色体、F04遺伝子は第5染色体に位置することが示された。これまでにマップされている7種類のFix-突然変異体の原因遺伝子の染色体地図上における位置とF13とF04遺伝子との位置を比較した結果、F04遺伝子は新規の領域にマップされ、新規のFix-突然変異体であると考えられた。そこで、F04変異体については、ポジショナルクローニングに向けて解析個体数を増やしてマッピングを行っているところである。さらに、F04変異体のバッククロス系統が得られたため、根粒の形態観察をはじめとする表現型解析を開始したところである。また、残りの系統については、引き続き、交配、ラフマッピングを行っている。
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