• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

過酸化脂質由来の活性アルデヒドの葉緑体での代謝と環境ストレスにおける生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 18570044
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山口大学

研究代表者

真野 純一  山口大学, 総合科学実験センター, 助教授 (50243100)

研究分担者 山内 靖雄  神戸大学, 農学部, 助手 (90283978)
キーワード過酸化脂質 / アルデヒド / 強光ストレス / 高温ストレス / リノレン酸 / HPLC / ストレス応答シグナル / 葉緑体
研究概要

植物の環境ストレスにおいて光合成阻害や細胞損傷の原因となる活性アルデヒド(RAL)の葉緑体内での代謝を解明するため、以下の課題に取り組み、結果を得た。(1)RALによるカルビン回路阻害機構。単離葉緑体の光合成阻害効果は、RAILのなかではアクロレインと4-ヒドロキシノネナールが最も強いことが分かった。飽和アルデヒドはRALより毒性が低かった。アクロレインはカルビン回路のチオール制御酵素を部分的に阻害した。また、Rubisco、アルドラーゼも部分的に阻害した。(2)葉緑体で生成するRALの同定。葉からのアルデヒド抽出、誘導体化、HPLC分析の手法を確立し、葉緑体にはアクロレイン、4-ヒドロキシヘキセナール(HHE)などのRALが存在すること、その多くはチラコイド膜に局在し、包膜には存在しないことを明らかにした。(3)葉の光酸化的ストレスに関与するアルデヒドの解明。RAL消去酵素である2-アルケナールレダクターゼを過剰発現し、強光耐性を示すタバコは、野生株タバコに比べ、強光照射で葉に蓄積するアクロレイン、HHEが少なかった。すなわち葉の強光傷害にこれらのRALが関与することが示唆された。一方、メチルビオローゲン(MV)と弱光による酸化的傷害を与えた葉で増大の著しかったのRALはクロトンアルデヒドであり、細胞傷害に関わるアルデヒド種は強光ストレスの場合とは異なることが明らかになった。(4)葉緑体でのRAL消去に対するグルタチオンの役割。葉緑体にRALを加えると速やかにグルタチオン(GSH)が消費されること、RALによる葉緑体の光合成阻害はGSHやジチオスレイトールなどのチオール化合物によって抑制されることを見いだした。これは、葉緑体でのRAL消去にGSHが重要であることを示す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Comparison of leaf carbonyl profiles among ecotypes of Arabidospis thaliana2007

    • 著者名/発表者名
      J.Mano 他4名
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology 48

      ページ: s103

  • [雑誌論文] Identification of aldehydes and ketones in spinach chloroplasts2007

    • 著者名/発表者名
      F.Miyatake 他2名
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology 48

      ページ: s103

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi