1)GFP融合タンパク質の発現による局在の検討 タバコBY-2細胞における細胞板のカロース合成酵素候補CAL12のcDNAを、Gatewayシステムを用いて35Sプロモーターによる強制発現型のプラスミドpMDC43あるいは、pMDC43を改変して作成した誘導発現型プロモーターを持つpMDC743のGFP配列の後ろにインフレームで導入し、コンストラクトを作成した。得られたコンストラクトを、アグロバクテリウムを介してタバコ培養細胞BY-2の野生型株に導入し、現在、GFP-CAL12発現株の取得中である。 2)RNAiによる発現抑制を用いたカロース合成酵素の機能阻害実験 CAL12に特異的なdsRNAの転写誘導によるRNAiを介したCAL12の発現抑制を試みる。CAL12 cDNA上の1331-1782bp(451bp)をターゲット領域として選定し、このターゲット領域の上流約478bpを含む929bpのcDNA断片を逆方向に、ターゲット領域の上流側につなぎ、このDNA断片をpMDC7の誘導発現プロモーターの下流に導入した。このコンストラクトを、アグロバクテリウムを介してBY-2の野生型株に導入し、得られた約30クローンの形質転換体について、エストラジオール処理により細胞板形成の異常が認められるかを、アニリンブルー染色により検討したが、いずれの株においても異常は認められなかった。作成したコンストラクトではCAL12の発現抑制が期待通り誘導できない可能性を考え、現在、新たにいくつかの異なる領域をターゲットとするRNAi誘導コンストラクトの作成を行っている。
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