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2006 年度 実績報告書

魚鱗を用いた破骨ー骨芽細胞相互の分化制御遺伝子の網羅的単離とメラトニンによる制御

研究課題

研究課題/領域番号 18570055
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

服部 淳彦  東京医科歯科大学, 教養部, 教授 (70183910)

キーワード破骨細胞 / ウロコ / 分化 / TRAP / カテプシンK / RANK / RANKL
研究概要

【目的】
軟骨魚類のウロコは、破骨細胞と骨芽細胞が共存し、I型コラーゲンを主とする基質にハイドロキシアパタイトの形でCaが沈着しており、骨と類似した構造をしている。また、ウロコは血中Caの供給源と_なっている点など骨と類似した役割もしている。したがって、ウロコはin vivoでの状態をそのまま取り出して調べることができる、優れた骨の実験モデルである。さらに、ウロコは移植や再生が容易に行えるので、破骨細胞や骨芽細胞を自由に誘導することができる。そこで、このウロコの系を用いて、本年度は、(1)血液幹細胞から多核の成熟破骨細胞の分化誘導系の確立、(2)破骨細胞の分化に関わる遺伝子群を単離することを目的とする。
【研究成果】
1)血液幹細胞から単核の前駆破骨細胞への分化さらに単核の前駆破骨細胞から多核の成熟破骨細胞への分化を、細胞が同期して誘導できる系として、筋肉内自家移植ウロコのモデル率を確立した。ウロコを筋肉内に移植すると、破骨細胞の誘導が起こり、各分化段階にしたがって、分化に関わる遺伝子(後述)および機能遺伝子(TRAP、カテプシンK、MMP-9など)の発現が認められた。また、細胞をTRAPやカテプシンKで染色したところ、移植後3日で単核の破骨前駆細胞が多数出現し、7日目には多核の破骨細胞を誘導することができた。
2)破骨細胞の分化に関わるRANKとRANKL遺伝子のクローニングに成功し、全塩基配列を決定した。また、PU.1とNF-κBに関しては、部分配列を決めた。
3)単核の前駆細胞から多核の成熟破骨細胞への分化に関わる遺伝子を、DD法を用いて網羅的に解析した結果、いくつかの候補遺伝子が取れた。その中には、MidkineやTimp-2といった、すでに破骨細胞の機能との関連が示唆されているものもみられた。現在、他の遺伝子については解析中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 魚鱗 : 硬組織研究と再生研究のフロンティア2007

    • 著者名/発表者名
      田畑 純, 鈴木信雄, 服部淳彦
    • 雑誌名

      細胞 39

      ページ: 55-57

  • [雑誌論文] The ideal synthesis method aimed at the leads for an α_2-blocker, an inhibitor of blood platelet aggregation, and an anti-osteoporosis agent.2006

    • 著者名/発表者名
      Somei, M., Iwaki, T., Yamada, F., Tanaka, Y., Shigenobu, K., Koike, K., Suzuki, N., Hattori,A
    • 雑誌名

      Heterocycles 68

      ページ: 1565-1569

  • [雑誌論文] Tributyltin inhibits osteoblastic activity and disrupts calcium metabolism through an increase in plasma calcium and calcitonin levels in teleosts.2006

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, N., Tabara, M.J., Kambegawa, A., Srivastav, A.K., Shimada, A., Takeda, H., Kobayashi, M., Wada, S., Katsumata, T., Hattori,A
    • 雑誌名

      Life Sciences 78

      ページ: 2533-2541

  • [雑誌論文] メラトニンUp to Date-骨とメラトニン2006

    • 著者名/発表者名
      服部淳彦, 鈴木信雄, 染井正徳
    • 雑誌名

      日本抗加齢医学会雑誌 2

      ページ: 78-86

  • [雑誌論文] 魚のウロコを用いた新しい実験系の開発と医歯学への応用2006

    • 著者名/発表者名
      鈴木信雄, 田畑 純, 和田重人, 服部淳彦
    • 雑誌名

      Dental Diamond 31

      ページ: 68-73

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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