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2008 年度 実績報告書

ヒゲムシと化学合成細菌の共生:宿主細胞による細菌の支配の解明に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 18570057
研究機関金沢大学

研究代表者

笹山 雄一  金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (30018999)

研究分担者 福森 義宏  金沢大学, 自然システム学系, 教授 (60135655)
金森 正明  金沢大学, 自然システム学系, 講師 (20324064)
松野 [Akira]  島根大学, 生物資源科学部, 教授 (60032629)
キーワード動物形態 / ヒゲムシ / 化学合成細菌 / 共生 / バクテリオサイト
研究概要

マシコヒゲムシは、口も消化管も無いが、体に化学合成細菌を共生させて、それが作る炭水化物によって生きている。その細菌を匿っている細胞をバクテリオサイトという。本研究は、そのバクテリオサイトが、感染した細胞をすぐに支配下におき、細菌が必要以上に増殖することを許さないのではないか、宿主の為に働いている細菌には手をつけないが、老化した細菌は消化して栄養としているのではないか、バクテリオサイトは、細胞質における細菌の位置を制御しているのではないか、さらに遺伝子の発現を制御している可能性はないか、を解明するために行った。
その結果、バクテリオサイトの中の細菌の数は必ず数個以下で、しかも細菌の細胞壁の一部は必ず、細菌を包んでいる膜に接着させられていた。この事は、やはり宿主細胞が細菌の数を制御していることを示唆している。さらに、免疫蛍光法を用いるとバクテリオサイトにおけるチューブリンの位置と細菌の存在部位が一致した。さらに電子顕微鏡を用いて詳細に調べると、200個のバクテリオサイトにおいて、細菌の85%は、栄養貯蔵細胞側に偏って存在することが明らかになった。この事は、宿主側が、チューブリンに細菌を乗せてその位置を制御している可能性を示唆している。残りの15%は、おそらく老いた細菌でやがてリソゾームに消化される運命にあると思われる。また、この観察過程で、ほとんどの場合、共生細菌は栄養貯蔵細胞側の毛細血管に接していることがわかった。この事は、共生細菌が生産した物質あるいは老廃物を毛細血管を通して栄養貯蔵細胞側に渡すか、あるいは血流に捨てていることを示唆している。遺伝子を制御しているか田舎は研究を続けている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Structural basis for the heterotropic and homotropic interactions of invertebrate giant hemoglobin.2008

    • 著者名/発表者名
      Numoto N, Nakagawa T, Kita A, Sasayama Y, Fukumori Y, Miki K
    • 雑誌名

      Biochemistry 47

      ページ: 11231-11238

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Direct evidence that extracellular giant hemoglobin is produced in chloragogen tissues in a beard worm, Oligobrtichia mashikoi (Frenulata, Siboglinidae, Annelida).2008

    • 著者名/発表者名
      Nakahama S, Nakagawa T, Karieinori, M, fukumori Y Sasayama Y
    • 雑誌名

      Zoological Science 25

      ページ: 1247-1252

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Alpha-glucosidase-like activity detected in a siboglinid polychaete, Oligobnichia mashikoi.2008

    • 著者名/発表者名
      Koizumi T, Sasayama Y
    • 雑誌名

      Zoological Science 25

      ページ: 364-371

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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