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2006 年度 実績報告書

キャッチ結合組織の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18570066
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京工業大学

研究代表者

本川 達雄  東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 教授 (80092352)

キーワードキャッチ結合組織 / NGIWYamide / 棘皮動物 / tensilin / 力学的性質
研究概要

キャッチ結合組織を硬くする2種類の物質が、普遍性をもつかを検討した。1つは結合組織の細胞外成分に直接効く硬化因子タンパク質tensilin、もう一つは、神経ペプチドNGIWYamideであり、これは神経の末端から分泌され、硬化因子の分泌に作用すると思われるものでる。
(1)樹手目ナマコから、Trotterたちはtensilinというタンパクを報告しており、彼らはこれがナマコ真皮の硬化因子であると主張している。そこで異なる目(楯手目)のニセクロナマコにも同様な硬化因子が存在するかを調べたところ、確かに分子量もアミノ酸配列も、ほぼtensilinと同様なタンパクが存在した。tensilinの効果を詳しく調べたところ、このタンパク質は軟化した真皮を標準状態まで硬くするが、標準状態からさらに硬化状態まで硬くすることはなかった。よってナマコキャッチ結合組織の硬化は、2段階で起こるというわれわれの主張が確かめられ、tensilinは「軟→標準」の段階にのみ作用することが分かった。ナマコ真皮抽出物の中に,「標準→硬化」を引き起こす、新たなタンパク質があることが分かった。これの分離精製を現在進めている。
(2)われわれはマナマコから神経ペプチドを4種類単離している。それらが他の棘皮動物にも存在し、結合組織の硬さ支配に関わっているかどうかを調べた。まず、イトマキヒトデにおいてNGIWYamideの効果と分布を調べた。NGIWYamideはヒトデの管足に収縮を引き起こした。NGIWYamideの抗体は、ヒトデの放射神経や管足神経を染めた。以上の結果は、このペプチド(もしくは類似のもの)がヒトデの神経においても働いていることを強く示唆している。現在、もう一つの神経ペプチドstichopinについて検討しているところである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] NGIWYamide-induced contraction of tube feet and distribution of NGIWYamide-like immunoreactivity in nerves of the starfish Asterina pectinifera.2006

    • 著者名/発表者名
      Saha, AK., Tamori, M., Inoue, M., Nakajima, Y., Motokawa, T.
    • 雑誌名

      Zoological Science 23

      ページ: 627-632

  • [雑誌論文] Tensilin-like stiffening protein from Holothuria leucospilota does not induce the stiffest state of catch connective tissue.2006

    • 著者名/発表者名
      Tamori, M., Yamada, Q., Nishida, N., Motokabashi, Y., Oiwa, K., Motokawa, T.
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Biology 209

      ページ: 1594-1602

  • [雑誌論文] ナマコのキャッチ結合組織2006

    • 著者名/発表者名
      本川達雄
    • 雑誌名

      高分子 55

      ページ: 492-493

  • [図書] "ファイバー"スーパーバイオミメティックスー近未来の新技術創成- 中の1章生物の形とサイズ : 進化的アプローチ2006

    • 著者名/発表者名
      本川達雄(本宮達也監修)
    • 総ページ数
      27-33
    • 出版者
      NTS
  • [図書] "ファイバー"スーパーバイオミメティックスー近未来の新技術創成- 中の2章「生物の設計原理と繊結合組織を例として」2006

    • 著者名/発表者名
      本川達雄(本宮達也監修)
    • 総ページ数
      67-71
    • 出版者
      NTS

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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