研究課題
初年度に、Gal4/UASシステムによりショウジョウバエの糖受容細胞にアポトーシス誘導し、糖の摂食量が低下することを報告したが、その再現性が得られなかった。そこで、19年度はチップレコーディング法により、作成した変異体動物の唇弁感覚毛より電気生理学的な糖応答の記録を行って野生型の応答との比較を行った。その結果、変異体動物は糖応答のインパルスを明瞭に示し、糖応答は野生型とほとんど差がないことが認められた。現在、糖受容細胞に実際にアポトーシスが誘導出来ているかの確認を行っている。一方で、GFPをTre発現細胞に限定導入・発現したショウジョウバエの作製を試みたところ、Tre発現細胞がGFPでマークされたハエが得られたので、このTre発現細胞と他の細胞との間でディファレンシャル・ディスプレイ法を試みる検討を始めた。この手法ではハエ味細胞の単離が必要であるが、研究室で開発したクロキンバエ味細胞の単離法を適用しようとしている。一方、電気生理学的な応答記録の際に、一部の情報変換経路の遮断剤が苦味応答を誘発することや、典型的な苦味物質により糖応答が抑制されることを観察した。この結果は過去の薬理学的な知見に再検討の必要があることを示すものである。そこで苦味物質による糖応答の抑制と苦味物質に対する応答の解析にも着手した。その結果、苦味細胞の情報変換機構がIP3をセカンドメッセンジャーとする可能性の高いことを見出し、学会発表と論文投稿を行った(現在投稿中)。苦味物質による糖応答の抑制機構は、引き続き解析中である。
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