研究概要 |
昨年度の研究により明らかになったミツバチpdfmRNAの5'UTR領域の挿入型/欠失型のスプライシングバリアントのそれぞれについて,real time PCR法により量的変動を調べると同時に,それぞれのスプライシングバリアントが発現する細胞をin situ hybridiza tionにより精査した。その結果,それぞれのスプライシングバリアントはいずれも,total mRNAの変動にみられたように,4月では暗期のはじめに,6月では明期の終わりにピークを持つ緩やかな日周変動を示した。両者の変動パターンは変わらなかった。 すなわち,pdfはhght onによりmRNAの発現が開始される可能性があること, mRNAの発現に日周性があることが示唆された。また,それぞれのスプライシングバリアントが発現する細胞は,同じ領域に存在するlateral neuronで,欠失型が片側13個,挿入型が12個であった。すべてのmRNAに対するプローブを用いてin situ hybridizationを行うと片側14個のlateral neuronにシグナルが見られるので,細胞群は3つのグループに分類することができると考えられた。また,発現時刻による数の変動はこれまでのところ観察されなかった。 pdf遺伝子にコードされたもう1つのペプチドPAPの機能を明らかにするために, PAPのみ, PDFのみ,および両方を発現するような3種類のトランスジェニック、ハエの確立をP因子トランスポゾンを用いて行なった。第2染色体にトランスポゾン挿入を持つ系統を各々選別し,第3染色体にpdf[01】突然変異をホモに組込んだ。また, 同時に挿入遺伝子もホモ化した。
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