研究課題/領域番号 |
18570081
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
小野 義隆 茨城大学, 教育学部, 教授 (90134163)
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研究分担者 |
柿嶌 眞 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40015904)
今津 道夫 信州大学, 全学教育機構, 准教授 (30261770)
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キーワード | サビキン / 生活環 / 分類 / 生態 / 系統 |
研究概要 |
平成18年度に日本各地で収集したオクロプソラ属およびアプロプソラ属のサビキンおよびその宿主植物を用いて接種試験を行った。その結果、Ochropsora ariaeがキクザキイチゲに精子・さび胞子世代を形成し、ヤマブキショウマに夏胞子・冬胞子世代を形成することを確認するとともに、ザイフリボクにも夏胞子・冬胞子世代を形成することが明らかになった。また、Aplopsora tanakaeがエゾエンゴサクに精子・さび胞子世代を形成すること明らかにした。平成18・19年度に実施したサビキン生活環研究の結果は、アプロプソラ属とオクロプソラ属サビキンが系統的に近縁であることを示唆している。そこで、接種試験および野外調査で得られた標本を基に、分子系統解析を行ったところ、アプロプソラ属とオクロプソラ属サビキンは直近の祖先を共有することが明らかとなったが、異なるクレードを構成しなかった。いっぽう、ブドウ属植物に寄生するファコプソラ属サビキン(Phakopsora euvitis)の分子系統解析を行った結果、東南アジアおよびオセアニアに分布する菌群が東アジアに分布する菌群と遺伝的に異なることが明らかとなった。北アメリカ南部に分布する菌群について発生生態を調査するとともに、分子系統解析を行ったところ、北アメリカ南部に分布するサビキンはPhakopsora euvitisではなく、別種であることが示唆された。また、シャクナゲ類に寄生するChrysomyxa succineaの生活環と発生生態を調査し、地域と宿主となるシャクナゲの種類によって、異なる生活環と発生生態をもつ菌群があることを明らかにした。
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