(1) 近年、植物化石の新発見や分岐分類学の発展および分子系統学の研究成果により、被子植物の起源と進化に関する研究は、急速に展開しつつある。被子植物は、約1億3千万年前に出現し、後期白亜紀における初期進化により、主要な分類群が分化したと推定されている。この研究によって、白亜紀に初期進化をした被子植物始原群の果実、種子、花などが、保存性の良い植物化石となって残っていることがわかってきた。 (2) これらの植物化石を単離し、走査型電子顕微鏡を用いた観察によって、3次元的な微細構造の解明が可能である。日本での炭化植物化石の研究は、未開発の分野であったが、申請者らの最近の研究によって、良好な保存状態で花化石などの炭化化石を多量に含んでいる白亜紀の地層が、日本国内に存在していることが明らかになった。
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