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2008 年度 実績報告書

中生動物ニハイチュウの分類、系統、進化

研究課題

研究課題/領域番号 18570087
研究機関大阪大学

研究代表者

古屋 秀隆  大阪大学, 理学研究科, 准教授 (20314354)

キーワードニハイチュウ / 系統分類 / イネキシン / 共進化 / 宿主特異性 / 螺旋卵割動物 / 片利共生 / ホストスイッチ
研究概要

(1)分類
土佐湾産のテナガコウイカとマツバダコから発見された5新種のニハイチュウの記載をした。また、駿河湾産メンダコから1新種を発見し記載した。
(2)系統ニハイチュウの前口動物内での系統関係をギャップ結合のターンパク質のイネキシン遺伝子のアミノ酸配列を明らかにし、系統樹を作成して解析した。その結果、18SrRNAによる系統解析とは異なり、ニハイチュウは、螺旋型卵割動物の系統内で、扁形動物の次に分岐することが明らかになった。
(3)共進化
ニハイチュウと頭足類との関係(宿主特異性や共進化)を明らかにするため、日本沿岸産の頭足類18種の系統関係とそれらに寄生する31種のニハイチュウについて、ニハイチュウとその宿主頭足類の系統解析を行ない、両者の系統樹を比較し、共進化の実像を明らかにした。その結果、タコ類とイカ類にみられるニハイチュウは、それぞれおおむね単系統を示したが、なかにはホストスイッチしたと考えられる種がみつかった。また、同じ種の宿主にみられるニハイチュウ類では、それぞれが近縁種で、同じ宿主の中で種分化が起きていることが示唆された。さらに、イカ類にみられるニハイチュウ類が早くに分岐しているため、ニハイチュウは最初イカ類に寄生していたことが示唆された。ニハイチュウとその宿主には、一部に共進化がみられるのみで、全体的にみるとニハイチュウは共進化していないことが明らかになった。これは、ニハイチュウにとっての頭足類は宿主として無くてはならぬ存在であるが、頭足類にとっては、ニハイチュウの存在はそれほど重要ではないという一方的な関係からであろう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A new dicyemid from Sepiella japonica (Mollusca : Cephalopoda : Decapoda).2008

    • 著者名/発表者名
      古屋 秀隆
    • 雑誌名

      Journal of Parasitology 94

      ページ: 223-229

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Redescription of Dicyemennea nouveli (Phylum : Dicyemida) from Enteroctopus dofleini (Mollusca : Cephalopoda : Octopoda). Journal of Parasitology.2008

    • 著者名/発表者名
      古屋 秀隆
    • 雑誌名

      Journal of Parasitology 94

      ページ: 1064-1070

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Three new dicyemids from Octopus sasakii (Mollusca : Cephalopoda : Octopoda). Journal of Parasitology.2008

    • 著者名/発表者名
      古屋 秀隆
    • 雑誌名

      Journal of Parasitology 94

      ページ: 1071-1081

    • 査読あり
  • [学会発表] 駿河湾産メンダコから発見された新種のニハイチュウ2008

    • 著者名/発表者名
      古屋 秀隆
    • 学会等名
      (社)日本動物学会
    • 発表場所
      福岡大学
    • 年月日
      2008-09-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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