(1) 分類高知湾産テナガコウイカから2新種、駿河湾産メンダコから1新種を発見し記載した。 (2) 系統ギャップ結合のタンパク質のイネキシン遺伝子のアミノ酸配列から、ニハイチュウの前口動物内での系統関係を解析した。その結果、18SrRNAによる系統解析とは異なり、ニハイチュウは、螺旋型卵割動物の系統内で、扁形動物の次に分岐することを明らかにした。この結果は、ニハイチュウが寄生性扁形動物から退化的に進化したという説を否定した。 (3) 細胞数の進化ミトコンドリア遺伝子COIと18SrRNAの塩基配列により、ニハイチュウ種間の系統解析を行なった。その結果、最近種分化したと考えられるニハイチュウ類には、少ない細胞数から成る種が多くみられた。つまり、ニハイチュウ類では、細胞数が減少する方向へと進化していることが示唆された。これは、ニハイチュウ類が進化の過程で、細胞数を減数するように進化したことを示唆している。
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