研究課題/領域番号 |
18570093
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
山形 秀夫 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20023468)
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研究分担者 |
林 茂生 理化学研究所, 形態形成シグナル研究グループ, ディレクター (60183092)
花里 孝幸 信州大学, 山地水環境教育研究センター, 教授 (60142105)
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キーワード | 生物圏現象 / 生態学 / 遺伝子 / 発生・分化 / 多様性 |
研究概要 |
オオミジンコのMe31B遺伝子を解析した結果、他の生物のDEADbox-RNAヘリケース同様、ATP結合ドメイン、RNA結合ドメインを有していることが判明した。その3'UTR内には線虫の生殖腺において翻訳調節を行うFBFタンパク質が認識するシス配列と高い相同性を示す配列が認められた。またミジンコ全胚および卵黄形成期の雌に対するin situ hybridizationの結果、胚では始原生殖細胞を含めた多くの組織で、卵黄形成期の雌では生殖細胞特異的な発現が観察された。このことよりミジンコにおいてもショウジョウバエ、線虫と同様に生殖細胞で発現している可能性が考えられる。Me31Bの転写量については、雄を産出する条件下で飼育したミジンコと雌のみを産出する条件下で飼育したミジンコの間で差は認められなかった。また、Me31Bの転写に関しては雌雄でその発現が確認された。 オオミジンコのCPEB1はRNA結合モチーフとZnフィンガーモチーフを高度に保存していた。そのN末端側には哺乳類や軟体動物のCPEBにみられる細胞周期に依存した選択的分解に必須とされるアミノ酸配列が高度に保存されていた。これらの配列は、ショウジョウバエ、線虫では見いだされていない。雄を産出する条件下で飼育したミジンコのCPEB1転写量は雌のみを産出する条件下で飼育したミジンコのCPEB1転写量の約1/7に減少していた。CPEB1に対する特異的なプローブを用いてin situ hybridizationを用行った結果CPEB1 mRNAは卵黄形成期のミジンコにおいて生殖細胞特異的に発現していた。RNA結合モチーフを有するオオミジンコのBoule、Pumilio mRNAもin situhybridizationを行った結果、卵黄形成期のミジンコにおいて生殖細胞特異的に発現していた。
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