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2006 年度 実績報告書

ハイゴケ科の再定義に関する系統分類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18570097
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人国立科学博物館

研究代表者

樋口 正信  独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 室長 (10189772)

研究分担者 西村 直樹  岡山理科大学, 付置研究所, 教授 (40156112)
坪田 博美  広島大学, 理学系研究科, 助教授 (10332800)
有川 智己  慶應義塾大学, 経済学部, 助手 (30363039)
キーワードハイゴケ科 / 系統分類 / 分子系統
研究概要

平成18年度は、9月に北海道の日高において、11月に台湾の蘭嶼島において野外調査を実施した。両地域および他地域から、ハイゴケ科及び近縁の科(ナガハシゴケ科、サナダゴケ科、ツヤゴケ科、ヤナギゴケ科)の材料を入手することができた。中でも、ハイゴケ科のラッコゴケ属とクシノハゴケ属について多くの種の材料を入手することができた。
入手した資料をもとに、研究室で詳細な外部形態の観察を行うとともに分子系統解析を行った。この解析ではとくにハイゴケ属および近縁属に着目し、今回入手した材料から新たに得られた50分類群のrbcL遺伝子の塩基配列データとこれまでに蓄積されている約200分類群のデータセットにより系統解析を行った。その結果、今回の解析ではこれまでのrbcL遺伝子を用いた分子系統解析同様に、ハイゴケ目は単系統となるものの、その中の科間・属間の関係は明瞭ではなく、ハイゴケ科もハイゴケ科内の亜科も単系統にならず、ハイゴケ属自体も多系統となった。しかし、以下の例に示すいくつかの新知見も得られた。(1)ハイゴケ属は多系統性を示すが、ハイゴケ、オオベニハイゴケ、ヒメハイゴケはウシオゴケ属とグループをつくる。(2)キャラハラッコゴケとオオカギイトゴケを除くラッコゴケ属は単系統性を示すが、キャラハラッコゴケはホンダゴケおよびキャラハゴケ属と、オオカギイトゴケはヤマトキヌタゴケと単系統となり、ラッコゴケ属とするのは妥当でないことが示唆される。
次年度は、さらに多くの分類群の材料の入手に努めるとともに、rbcL遺伝子以外の適切な分子種を検討し、分子系統解析に導入することによって、より精度の高い系統樹を作成することを第一の目標としたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Studies on the bryophyte flora of Vanuatu. 10. Additions to the Hypnaceae (Musci)2006

    • 著者名/発表者名
      Higuchi, M., N.Nishimura
    • 雑誌名

      Bull. Natn. Sci. Mus., Tokyo, Ser. B 32(4)

      ページ: 175-179

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2021-08-25  

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