研究課題/領域番号 |
18570097
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
樋口 正信 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, グループ長 (10189772)
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研究分担者 |
西村 直樹 岡山理科大学, 付置研究所, 教授 (40156112)
坪田 博美 広島大学, 理学系研究科, 准教授 (10332800)
有川 智己 慶應義塾大学, 経済学部, 助教 (30363039)
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キーワード | ハイゴケ科 / 系統分類 / 分子系統 |
研究概要 |
平成19年度は、5月に茨城県北部、6月に長野県東部、7月にマレーシア半島部、8月に京都市、10月に中国雲南省南部、3月に鹿児島県北部及び熊本県南部において野外調査を実施した。各調査地域から、ハイゴケ科及び近縁の科の材料を入手することができた。また、得られた成果の一部を7月にマレーシアで開催された国際蘚苔類会議及び3月に八王子市で開催された日本植物分類学会第7回大会で発表した。 入手した資料をもとに、研究室で詳細な外部形態の観察を行うとともに分子系統解析を行った。今年度はrbcL遺伝子に加え、葉緑体rps4遺伝子を調べ、約260OTU分のデータセットによって系統解析を行った。その結果、両遺伝子のデータを組み合わせた解析では、それぞれの遺伝子単独による解析に比べより高い解像度の系統樹が得られた。従来ハイゴケ科とされてきたものは、以下のように8系統群に分かれた。(1)ハイゴケ属(9種を含む)、ヤリノホゴケ属、ウシオゴケ属、フクロハイゴケ属、キヌゴケ属、ラッコゴケ属、キヌタゴケ属を含む群。(2)ハイゴケ属(タイプ種他の2種を含む)、クサゴケ属、キャラハゴケ属、ホンダゴケ属を含む群。(3)ハイゴケ属(1種を含む)、キャラハゴケモドキ属、クシノハゴケモドキ属、アカイチイゴケ属を含む群。(4)ハイゴケ属(2種を含む)、ダチョウゴケ属を含む群。(5)ミチノクイチイゴケ属を含む群。(6)クシノハゴケ属を含む群。(7)エゾノヒラツボゴケ属、Struckiaを含む群(サナダゴケ科に含まれる)。(8)ハイゴケ属(1種を含む)、イヌサナダゴケ属、シロイチイゴケ属、フトハイゴケ属を含む群(ハシボソゴケ科に含まれる)。この結果は従来のハイゴケ科及びハイゴケ科の下位区分と大きく異なっており、本科の再定義を検討する上で重要である。
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