ゴルジ体構造維持に関わるgolginファミリーとCOG複合体の相互作用の解析

2007 年度 研究成果報告書概要

• 研究課題/領域番号: 18570116
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 構造生物化学
• 研究機関: 福岡大学
• 研究代表者: 三角 佳生 福岡大学, 医学部, 准教授 (10148877)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2007
• キーワード: ゴルジ体 / golginファミリー / 局在化シグナル

研究概要

ゴルジ体に局在するcoiled-coilタンパク質golginはゴルジ体の構造維持にかかわる小胞輸送において繋留過程に必須である。輸送小胞の繋留過程はcoiled-coilタンパク質と多量体複合体が繋留タンパク質の候補として挙げられている。しかしながら、これらのタンパク質が独立して働くのか、共役して働くのかはいまだ明らかになっていない。本研究では小胞体-ゴルジ体間輸送に働くと考えられているgolgin(p115,golgin-84とCASP)とCOG複合体の相互作用について解析をおこなった。
p115ノックダウンやBFA処理によるゴルジ体の崩壊からの回復にp115とCOGのサブユニットCog2の相互作用が必要であった。この相互作用は間期の細胞だけでみられ、分裂期の細胞においては観察されなかった。これらの結果はp115がCOG複合体と共役してcis-Golgiにおける小胞輸送に必須な働きをしていることを強く示唆した。
我々は以前膜結合型golginが小胞輸送における繋留過程に働くことを示唆した。膜結合golginであるgolgin-84とCASPについてCOG複合体との相互作用の解析をおこなった。COG複合体はgolgin-84またはCASPと共免疫沈降することが示された。とれらの結果はCOG複合体がp115以にも2種のgolginと相互作用する可能性を示す。COG複合体とgolginの相互作用に関するさらなる解析はゴルジ体の構造機能の維持機構の理解の一助となると考えられる。

研究成果

• [雑誌論文] The interaction of two tethering factors,p115 and COG complex,is required for Golgi integrity (2007)
  • 著者名/発表者名: Sohda M, Misumi Y, Yoshimura Y, Nakamura N, et. al.
  • 雑誌名: Traffic 8 ページ: 270-284
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
  • 査読あり
• [雑誌論文] The interaction of two tethering factors, p115 and COG complex, required for Golgi integrity (2007)
  • 著者名/発表者名: Sohda, M., Misumi, Y., Yoshimura, S., Nakamura, N.,Fusano, T., Ogata, S., Sakisaka, S., Ikehara, Y
  • 雑誌名: Traffic 8(3) ページ: 270-284
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [雑誌論文] Modulation of D-Serine levels via ubiquitin-dependent proteasomal degradation of Serine racemase (2006)
  • 著者名/発表者名: Dumin E, Bendikov I, Foltyn VN, Misumi Y, Ikehara Y, et. al.
  • 雑誌名: J.Biol.Chem. 281 ページ: 20291-20302
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
  • 査読あり
• [雑誌論文] Modulation of D-Serine levels via ubiquitin-dependent proteasomal degradation of Serine racemase. (2006)
  • 著者名/発表者名: Dumin, E., Bendikov, I., Foltyn, Y. N., Misumi. Y., Ikehara, Y., Kartvelisbvily, E., Wolosker, H.
  • 雑誌名: J. Biol. Chem. 281(29) ページ: 20291-20302
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [学会発表] The interaction of two tethering factors,p115 and COG complex,is required for Golgi integrity (2006)
  • 著者名/発表者名: Sohda M, Misumi Y, Nakamura N, Ikehara, Y
  • 学会等名: 20th IUBMB International Congress of Biochemis try and Molecular Biology
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20060618-23
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [学会発表] The interaction of two tethering factors, p115 and COG complex, is required for Golgi integrity (2006)
  • 著者名/発表者名: Sohda M, Misumi Y, Nakamura N, Ikehara, Y
  • 学会等名: 20th IUBMB International Congress of Biochemistry and Molecular Biology
  • 発表場所: Kyoto Japan
  • 年月日: 20060618-23
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より