研究課題
基盤研究(C)
Ca2+結合量測定法の妥当性の検証と精度の向上これまでにCOS-1で発現させたSERCA1aに結合したCa^<2+>量を測定する方法として、45Caを結合させ、メンブレン上にトラップしたmicrosomeを、ATPと高濃度Caの入ったwasher使うことにより、すべてのCa-ATPase分子をE1PCaに変換して、結合したCa2+を酵素内に閉塞させつつ洗うという方法を開発した。この方法により、発現させたSERCA1a変異体を用いた、Ca^<2+>結合の測定が可能となり、Tyr122をA1aに置換した変異体(Y122A)において、通常蓄積しないE2PCa中間体が蓄積していることが示唆された。しかしながら、この方法で測定した場合、野生型ではATPからEPを形成させ定常状態にあるときのCa^<2+>結合量がE1Pよりむしろ低い目にでる傾向があったため、その原因について検討してみた。Rapid filtration system (RFS)を用いた測定では、野生型SERCA1aを高濃度Ca^<2+>存在下でATPからEP形成を行った場合、結合していたCaは直ちに閉塞され、安定に保持されるが、低濃度Ca存在下で形成したEPに高濃度Caを添加した場合では、高濃度Ca^<2+>存在下で形成したEPよりも速いCa^<2+>の脱離が観察された。これは、Ca^<2+>-ATPaseの触媒部位のmetal結合部位がCaに置換される速度が、比較的遅いため、E1PCaや、E2PCaのトラップが遅れ、結合したCaと内側のCaとが交換しているのものと考えられる。この結果は、このCa^<2+>結合量測定法を用いる場合に、中間体の状態によっては、Ca結合量を低めに見積もる可能性を示唆しており、wash時間のコントロールが測定精度向上に不可欠であることを示している。また、このことから、E1PCaやE2PCaに結合したCa量は低めに見積もられるに関わらず、明らかにE1P量を上回るCa結合量があるということは、E2PCaの存在はより確実になったといえる。E2PCaからのCa放出速度の見積もりE2PCaからのCa放出速度を見積もるため、Y122Aの代わりにL119Aを用いてCa releaseのタイムコースを測定したところ、このmutantでE1P-E2P転換より、Ca放出が明らかに遅くなっていることを示すデータが得られた。
すべて 2006
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