研究課題
本研究では、I型細胞の分泌するガモン1を受容したII型細胞内で活性化される遺伝子を明らかにし、その機能について明らかにしようとしている。これまでに適度な飢餓状態においたII型細胞と、適度な飢餓状態のII型細胞をガモン1で処理したものとの間でcDNAサブトラクションを行い、単離した34の遺伝子のうち、cdk1、cks、4-HPPDとそれぞれ相同性のみられた3配列は、I型細胞及びII型細胞の増殖期や定常期では発現せず、II型細胞においてガモン1処理によってのみ著しく転写量が増加することを明らかにした。また、cdk1やcks相同遺伝子に関しては、多くのcdk1、cksにおいて保存されている機能的に重要なモチーフが保存されていないことを明らかにした。これらのcdk1、cks相同遺伝子は、接合において重要な役割を担っている可能性が示唆される。単離されたcdk1相同遺伝子がII型細胞の接合誘導時においてのみ特異的な発現を示したことから、Blepharismaでは他にもcdkをコードする遺伝子が存在し、それらが増殖期に発現していると考えられる。そこで対数増殖期の細胞からcDNAを合成し、他生物のcdk1において保存されているアミノ酸配列より設計したdegenerate primerを用いたPCRで、増殖期に発現するcdk1遺伝子の単離を行った。最終的に決定された6遺伝子の発現パターンをドットハイブリダイゼーションで調べたところ、これらの遺伝子は主に増殖期において発現がみられた。このことから、B. japonicumではcdk1相同タンパク質が複数存在し、接合誘導時と対数増殖期で異なるcdk1相同タンパク質が機能していると考えられた。
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Gene DOI link: http://dx.doi.org/10.1016/j.gene.2008.03.018 (In press)
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