研究課題/領域番号 |
18570144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 正行 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (50241295)
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研究分担者 |
矢澤 道生 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 教授 (50101134)
中冨 晶子 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 助手 (20360894)
山岸 皓彦 お茶の水女子大学, 理学部, 客員教授 (70001865)
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キーワード | ミオシン / フィラメント / 細胞内局在 / リン酸化 |
研究概要 |
in vitroの実験系で自己会合能を示すことが明らかになっているミオシンIIB重鎖のC末端側305アミノ酸残基のフラグメント(BRF305)を用いて、そのN末端にGFPを融合させ(GFP-BRF305)ヒト繊維芽細胞由来のMRC-5 SV1 TG1細胞に過剰発現させたところ、ミオシンIIBノックアウトマウス由来の繊維芽細胞と同様の「不安定な細胞形態」という表現型が得られた。この表現型は(1)会合能を持たないBRF305変異体、(2)BRF305のN末端側57残基(N-57領域)または(3)C末端側63残基(C-63領域)を欠損させたフラグメントを発現しても得られなかった。また、ミオシンIIA尾部にあるBRF305に相当する領域のフラグメント(ARF296)を過剰発現させても同様の表現型は見られなかった。しかし、ARF296のN-57およびC-63相当領域をBRF305のものに置換した場合(ARF296exNC)、GFP-BRF305と同様の表現型が得られた。細胞抽出液についての免疫共沈降実験から、「不安定な細胞形態」という表現型を示したBRF305およびARF296exNCは、細胞内で内在性ミオシンIIBと相互作用していることを確認した。以上の結果から、BRF305はミオシンIIBを特異的に認識して相互作用しており、その認識にはN-57領域とC-63領域が必要であることを明らかにした。 細胞伸展部におけるミオシンII調節軽鎖(RLC)の2重リン酸化は、膜がラッフリングしている箇所で起きていることがわかった。この2重リン酸化は、Rho-kinaseの阻害剤であるY-27632の添加により抑制された。この結果は、細胞伸展部におけるRLCのリン酸化にはRho-kinaseが関与している可能性を示唆する。
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