研究課題
基盤研究(C)
脊椎動物横紋筋には分子量約300万の巨大な弾性タンパク質コネクチンが存在し、筋サルコメア構造の維持に関わっている。また、無脊椎動物横紋筋においても、ザリガニはさみ閉筋に存在するI-コネクチンなどいくつかのコネクチン様タンパク質が、その構造を維持する役割をしていることが明らかになっている。しかし平滑筋や非筋細胞では脊椎動物、無脊椎動物ともにコネクチン様タンパク質が存在するという報告はなされていない。ところが、無脊椎動物平滑筋の代表例として多くの生理学的研究がおこなわれているムラサキイガイ前足糸牽引筋(ABRM)の全抽出物をSDS-PAGEにより調べた結果、脊椎動物コネクチンやI-コネクチンよりも高分子量の位置にバンドが確認された。そこでこのバンドに対して各種コネクチン抗体やI-コネクチン抗体を用いたイムノブロットを行ったところ、I-コネクチンのPEVKとsemi-PEVK配列に対する2種類の抗体のみが反応を示した。そこで、ムラサキイガイABRMのcDNAライブラリーを作成し、反応した2種類の抗体を用いてイムノスクリーニングを行ったが、現在までにポジティブクローンは得られていない。抗体の反応性が弱いことが原因として考えられるので、ムラサキイガイABRMの高分子量タンパク質に対する抗体を作製し、イムノスクリーニングをおこなう予定である。一方で、非筋細胞であるアフリカツメガエル卵からも高分子量タンパク質の探索をおこなった。様々な抽出条件を検討した結果、カエル卵からゼリー膜を取り除いた後、150mM NaPO_4(pH6.6),1mM DFP,1mM EDTA,0.5mM Leupeptinの溶液を用いると3500kDaタンパク質が抽出されることが分かった。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (2件)
J. Mol. Biol. (in press)
Genes to Cells 12
ページ: 269-284