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2006 年度 実績報告書

タンパク質結晶の相転移のメカニズムの解明と結晶の改質への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18570155
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

原田 一明  独立行政法人産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 主幹研究員 (20357817)

キーワード生体分子 / 蛋白質 / X線
研究概要

本研究課題においては、タンパク質結晶の相転移をX線回折によって調べ、相転移前後の結晶構造を原子分解能で解析して構造変化を比較し、更に分子運動の解析を行ってそのメカニズムを明らかにすることを目的として以下の研究を行った。
(1)リゾチーム単斜晶系結晶の脱水による相転移を解析するための高分解能結晶を得るために、溶媒として重水を用いての結晶作成条件を検討した結果、type I及びIIの2種類の結晶について良好な結晶を作成することができた。
(2)リゾチームのtype II単斜晶系結晶の脱水による相転移を検討したところ、type Iの結晶に比較して相転移が起こりにくく、type Iの結晶の相転移が2時間程度で完了するのに比較して5時間以上を必要とした。また、相転移後の結晶には無数の細かいひびが入っており、X線回折ピークの幅が2〜3倍に広がっていた。結晶作成条件の違いから、結晶内の塩濃度が関係していると考えられる。
(3)type II結晶について、相転移の前後の構造を解析して、type Iの場合と比較したところ、type Iの結晶では、相転移前の結晶ではナトリウムイオンが部分的に結合しており相転移後の結晶ではナトリウムイオンが外れているのに対して、type IIの場合は、相転移の前後の構造において、いずれの場合もナトリウムイオンが結合していることが明らかになった。この成果は、第7回アジア結晶学会(つくば、2006)で発表された。
(4)相転移前の結晶は、分解能が1.3オングストローム程度であるために異方性温度因子を用いて構造の精密化を行うことができないことから、等方性温度因子を用いる分子運動の解析方法を検討し、擬似異方性温度因子を用いる方法を開発した。有効性を調べるために200以上の構造データを用いて異方性温度因子を用いる場合との比較を行ったところ、定性的な解析としては良好な結果が得られた。この成果は、第5回束アジア生物物理学会(那覇、2006)で発表された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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