研究課題
平成19年度は、CeR-2 RNA遺伝子cer-2の上流に位置する共通配列(cer2CE)を含む領域に結合する因子の同定を中心に研究を進めることを計画した。はじめに、cer2CEを含むDNA断片を用いたゲルシフトアッセイを行い、そこに結合する因子の有無を検討した。cer2CEを含む167bpのDNA断片cer2CE-a(CeR-2 RNAコード領域の5'末端を+1として、-142〜+25の領域)を放射性同位体で標識し、線虫の細胞抽出物もしくは核抽出物を用いてゲルシフトアッセイを行った。この結果、2本のシフトしたバンド(cer2CE-I、cer2CE-II)が検出された。次に、cer2CE-aの部分配列を持つDNA断片(放射性同位体による標識はしていない)を用いた競合実験を行った。この結果、CeR-2 RNAコード領域上流-142〜-113のDNA断片(30bp)を反応に加えることによってcer2CE-Iが、cer2CEに相当する-67〜-42のDNA断片(26bp)を反応に加えることによってcer2CE-IIが薄くなった。これらは、それぞれの領域に配列特異的に結合する因子が存在することを示唆している。cer2CEはU snRNA遺伝子の上流に存在するPSEに類似した配列である。他生物種での研究から、PSEに結合する転写因子としてSNAPcが知られており、cer2CEに結合する因子は線虫のSNAPcホモログであると予想される。実際にcer2CE-I、cer2CE-IIを構成する因子がどのようなものであるか、cer2CE-Iとcer2CE-IIを構成する因子の間に何らかの関係があるのか、これらは今後の検討課題である。
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Biochimie (in press)
http://nature.cc.hirosaki-u.ac.jp/kohou2/public/oyo/c.ushida/index.htm