研究課題
基盤研究(C)
I.レポーターを導入したマウスES細胞株の樹立ニワトリのβ-アクチンプロモーターをテストプロモーターとし、その上流にT20(負の超らせんを擬態した180bpの人工ベントDNA)を配置して構築したレポーター(レポーター遺伝子はGFP遺伝子)をマウスES細胞のゲノムに導入した。なお、loxP配列をT20の上流にひとつ、T20とプロモーターの間にひとつ、それぞれ配置した。ゲノムにレポーターが入った細胞株は多数得られたが、ほとんどの場合、上流側のloxP配列の一部またはT20の一部が欠失していた。このため、この領域の構造に少し手を加えて再度実験を行い、目的とする細胞株の候補を数株得た。現在、構造解析を進めている。II.マウスES細胞におけるT20の機能解析とES細胞の分化誘導既に得られていた二つの細胞株を用いてT20の機能解析を行ったところ、どちらの細胞株においてもT20により転写が活性化していることが示唆された。また、細胞株のひとつを用いて、肝細胞への分化誘導を行ったところ、条件によっては細胞増殖が停止してしまうことが明らかになった。この結果は、T20が細胞周期にも影響を及ぼしうることを示唆しており興味深い。現在、この現象の分子機構を調べている。III.高頻度組換え部位の機械的特性の解析DNAの柔軟・剛直特性をゲノムワイドに解析できるコンピュータプログラムの開発を試みた。そして、300MbのDNAの機械的特性をわずか1時間程度で解析できるプログラムを作成することに成功した。このプログラムを用いて、出芽酵母第3染色体の全ての高頻度組換え部位を対象とした柔軟・剛直特性の解析を行った。その結果、高頻度組換え部位はゲノムの他の領域に比べて特徴のある特性をもっていることが示唆された。
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