• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

細胞増殖の調節におけるゴルジ体の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18570173
研究種目

基盤研究(C)

研究機関金沢大学

研究代表者

中村 暢宏  金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (50294955)

キーワードゴルジ体 / 細胞周期 / シグナル伝達 / 構造維持 / リン酸化
研究概要

本年度は、小胞体とゴルジ体に局在する5回膜貫通タンパク質群FinGERのうち、FinGER3、FinGER4、FinGER5、FingER7の機能解析を行った。FinGER3、FinGER4はcis-Golgiに局在し複合体を形成する。RNAi法を用いて、FinGER3、FinGER4の発現抑制を行ったところ、FinGER3、FinGER4ともにRNAi処理後3日で顕著なタンパク質量の低下を認めた。また、FinGER3、FinGER4のタンパク質量低下と共にゴルジ体が断片化し、細胞質に分散することが明らかとなった。さらに、FinGER3のタンパク質量低下に伴って若干のFinGER4タンパク質量の低下が観察された。逆に、FinGER4タンパク質量の低下によって顕著なFinGER3のタンパク質量低下が観察された。興味深いことに、FinGER3のタンパク質量低下に伴って細胞の増殖阻害が引き起こされる事が明らかとなった。FinGER3、FinGER4が複合体を形成することから、FinGER3のタンパク質量低下に伴って複合体を形成しないFinGER4量が増加し、このことが細胞の増殖阻害を導いている可能性が考えられた。FinGER5は以前に酵母Yip1のほ乳類での相同タンパク質としてER exit sitesに局在することが報告されていた。FinGER5、FingER7に対する抗体を作成し、免疫蛍光染色法と細胞分画法によって詳細に解析を行ったところ、FinGER5、FingER7が小胞体とゴルジ体の中間区画(ERGIC)に局在することが明らかとなった。また、FinGER5とFinGER7が複合体を形成することも明らかとなった。RNAi法を用いて、FinGER5、FinGER7の発現抑制を行ったところ、FinGER5、FinGER7ともにRNAi処理後3日で顕著なタンパク質量の低下を認めた。また、FinGER3、FinGER4のタンパク質量低下時と同様にFinGER5、FinGER7のタンパク質量低下と共にゴルジ体が断片化し、細胞質に分散することが明らかとなった。さらに、FinGER7のタンパク質量低下に伴って若干のFinGER5タンパク質量の低下が観察された。逆に、FinGER5タンパク質量の低下によって顕著なFinGER7のタンパク質最低下が観察された。興味深いことに、FinGER7のタンパク質量低Fに伴って細胞の増殖阻害が引き起こされる事が明らかとなった。FinGER5、FinGER7が複合体を形成することから、FinGER3、FinGER4の場合と同様にFinGER7のタンパク質量低下に伴って複合体を形成しないFinGER5量が増加し、このことが細胞の増殖阻害を導いている可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Knockdown of mitochondrial heat shock protein 70 promotes progeria-like phenotypes in caenorhabditis elegans.2007

    • 著者名/発表者名
      Kimura, K., et al.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 282

      ページ: 5910-5918

  • [雑誌論文] Autophagosome-Lysosome Fusion Depends on the pH in Acidic Compartments in CHO Cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Kawai, A., et al.
    • 雑誌名

      Autophagy 3

      ページ: 154-157

  • [雑誌論文] The Interaction of Two Tethering Factors, p115 and COG complex, is Required for Golgi Integrity.2007

    • 著者名/発表者名
      Sohda, M., et al.
    • 雑誌名

      Traffic 8

      ページ: 270-284

  • [雑誌論文] Alteration of Developmental Program in Parameciumby Treatment with Trichostatin A : a Possible Involvement of Histone Modification.2006

    • 著者名/発表者名
      Kimura, N., et al.
    • 雑誌名

      Protist 157

      ページ: 303-314

  • [雑誌論文] IntraGolgi distribution of the Conserved Oligomeric Golgi (COG) complex.2006

    • 著者名/発表者名
      Vasile, E, et al.
    • 雑誌名

      Experimental Cell Research 312

      ページ: 3132-3141

  • [雑誌論文] Quantitative monitoring of autophagic degradation.2006

    • 著者名/発表者名
      Kawai, A., et al.
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun. 351

      ページ: 71-77

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi