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2007 年度 実績報告書

細胞増殖の調節におけるゴルジ体の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18570173
研究機関金沢大学

研究代表者

中村 暢宏  金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (50294955)

キーワードゴルジ体 / 細胞周期 / シグナル伝達 / 構造維持 / リン酸化
研究概要

細胞分裂期のゴルジ体の分散とpS277の増加は細胞分裂開始時に同じタイミングで起こるが,細胞分裂終了時のゴルジ体の再形成とpS277の脱リン酸化は同時ではなく,再形成し始めたゴルジ体上にpS277が残っていた。したがってGRASP65の脱リン酸化は,ある程度小胞が融合した後に起こるものと考えられた。細胞質型GRASP65タンパク質を微細注入すると,ヒストンH3のリン酸化が抑制された。AuroraBがピストンH3をリン酸化することから,GRASP65がAuroraBの活性の制御に関わる可能性が示唆された。中心体の分離機構に影響はみられなかった。中心体の分離機構にはリン酸化酵素であるNek2がはたらいている。Nek2をはじめとする中心体分離機構にはGRASP65は影響しないことが示唆された。Plk1は細胞分裂期にCdk1-cyclinBとともにGRASP65をリン酸化することが報告されている。本研究では分裂期細胞質でS277がリン酸化されたGRASP65タンパク質がPlk1FLやPBDに結合することが明らかとなった。S277のリン酸化を認識して結合したPlk1はGRASP65をさらにリン酸化することや,その周囲にあるゴルジ体局在タンパク質のリン酸化にはたらくことが予想される。GRASP65をはじめとするゴルジ体局在タンパク質のリン酸化が細胞分裂の進行を制御するシグナルとしてはたらいているとすれば,細胞分裂期に起こるゴルジ体の分散はゴルジ体の成分を娘細胞に均等に分配するための受動的な役割だけでなく,リン酸化シグナルを細胞全体に広げ細胞分裂を制御するための能動的な役割を持つと推測される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Characterization of ArfGAPl and FinGER7/FinGER8 interaction by quantitative yeast two-hybrid analysis.2007

    • 著者名/発表者名
      Akhter, H., et. al.
    • 雑誌名

      J.JuzenMed.Soc. 116

      ページ: 137-142

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Autophagosome-Lysosome Fusion Depends on the pH in Acidic Compart ments in CHO Cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Kawai, A., et. al.
    • 雑誌名

      Autophagy 3

      ページ: 154-157

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Knockdown of mitochondrial heat shock protein 70 promotes progeria-like phenotypes in caenorhabditis elegans2007

    • 著者名/発表者名
      Kimura. K., et. al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 282

      ページ: 5910-5918

    • 査読あり
  • [学会発表] FinGER7複合体はERGICに局在しゴルジ体の構造維持に働く2007

    • 著者名/発表者名
      鈴木くるみ, 他
    • 学会等名
      第59回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20070528-30
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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