研究課題
N-結合型糖鎖の生合成に関わる糖転移酵素であるGnT-III、GnT-VまたはFut8遺伝子を導入または欠損させることによって糖鎖リモデリング細胞を確立することと同時に、このような糖鎖リモデリングによるインテグリンなどの細胞接着分子やEGFレセプターまたはTGF-βレセプターなどの増殖因子受容体の機能へ影響を解析する。インテグリンは細胞外マトリックスへの細胞の接着を媒介する膜貫通型糖蛋白質で、細胞内蛋白質のチロシンリン酸化や低分子量GTP結合蛋白質の活性化を通じて細胞内骨格系の再編成や増殖・分化のシグナル伝達に深く関わる。また、インテグリンと細胞増殖因子受容体との相互作用は、細胞の増殖・移動・生存などの生理的な過程のみならず、がん細胞の増殖・転移・浸潤など病理的な過程にも重要な役割を担っている。我々は、18年度にインテグリンα5鎖の12カ所N-結合型糖鎖付加サイトの中に3〜5番が機能発現に重要であることを同定した。19年度では、それに加えて4番に特異的にGnT-IIIの修飾を受けることを明らかにした。さらに、β1鎖の機能発現に重要な糖鎖付加サイトをも同定した。一方、インテグリンα3β1やα6β4の特異的なリガンドであるラミニン-332の機能については、GnT-IIIの修飾によってその機能が著しく阻害されることを初めて明らかにした。
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